中国とラテンアメリカの文化交流 ペルーとブラジルで広がる対話
2024年には、中国とラテンアメリカのあいだで行われた一連の文化交流イベントが、ペルーとブラジルで相次いで開催されました。文明対話のフォーラムから映像作品の上映、写真展、大学での意見交換まで、多層的な取り組みが相互理解を深めています。
本記事では、ペルーとブラジルで行われた主な動きを整理しながら、中国とラテンアメリカの文化交流がどのように広がっているのかを、日本語で分かりやすく振り返ります。
ペルー・リマで文明対話フォーラム
2024年11月6日、ペルーの首都リマで、中国とラテンアメリカ・カリブ諸国との文明対話をテーマにしたフォーラム「2024 Forum on Dialogue between the Civilizations of China and Latin America and the Caribbean」が開催されました。
フォーラムには、中国やペルー、アルゼンチンをはじめ、10を超えるラテンアメリカ諸国から、政治指導者、研究者、企業関係者など150人以上が参加しました。地域や立場の異なる参加者が一堂に会し、文化や文明をめぐる対話を行った点が特徴です。
今回のテーマは英語でCivilizational Heritage and Modern Developmentと掲げられ、次のような目的が示されました。
- 中国とラテンアメリカの文化交流を一層促進すること
- それぞれの文明に根ざした文化遺産を保存し、現代に応用していくこと
- 地域の近代化に向けた議論や政策に知的な支えを提供すること
- 持続可能な発展や共通の課題に対する協力の可能性を探ること
経済や安全保障などの硬いテーマだけでなく、文化や文明といった視点から関係を見直すことで、長期的な信頼関係づくりにつなげようとする意図がうかがえます。
映像コンテンツで伝える中国の今
同じ11月6日、リマではテレビ番組枠China Hourと、中国の映像作品を集中的に紹介する企画China Audiovisual Monthの開始式も開かれました。
China Hourなどの企画では、中国のドラマやシリーズ作品など多様な映像コンテンツがラテンアメリカの視聴者に向けて紹介されます。ラインナップには、SF作品The Three-Body Problem、地方発展を描いたドラマMinning Town、現代女性の人生に焦点を当てたThe Tale of Roseなどが含まれています。
イベントでは、次のような企画も行われました。
- スペイン語版The Three-Body Problemのラテンアメリカでの初披露
- 同作品の生吹き替えパフォーマンス
- 中国の都市・重慶の姿を映像で紹介するA Bird's Eye View of New Chongqingの国際初公開
- 重慶の新しい姿をテーマにした映像展示「New Chongqing in Light and Shadow」
物語や映像を入り口にすることで、視聴者は中国の都市や社会の変化、科学技術や地方発展など、ニュースだけでは見えにくい部分に触れることができます。エンターテインメントと文化交流を組み合わせたアプローチと言えます。
リオデジャネイロで「Beautiful China, Beautiful Brazil」
ブラジルでも、中国との文化交流イベントが続きました。リオデジャネイロでは月曜日に、写真集と写真展を組み合わせたBeautiful China, Beautiful Brazilが始まりました。
この企画では、次のようなテーマに沿った写真が展示されています。
- 両国の自然の風景や多様な生態系
- 歴史と文化を映し出す街並みや祭り
- 経済分野での協力や相互投資の現場
- これまでに積み重ねられてきた文化交流の様子
- 共同プロジェクトや協働の成果
写真を通じて、中国とブラジルの共通点や違いを視覚的に理解できる構成となっており、遠く離れた二つの国の距離を縮める試みと位置付けられます。
サンパウロ大学での若者交流
火曜日には、ブラジル有数の高等教育機関であるサンパウロ大学で、中国とブラジルの人と人との交流をテーマにしたイベントが開かれました。学生や教員、招待客など200人以上が参加し、両国の文化交流をどのように強化していくかについて意見交換が行われました。
同大学ではあわせて、ブラジルの若者が中国をどう見ているかに焦点を当てた展示も実施されました。中国に対するイメージや関心、将来の協力への期待などが紹介され、若い世代の視点から二国間関係を捉え直す機会になったとみられます。
中国とラテンアメリカ、文化でつながるこれから
ペルーの文明対話フォーラム、リマでの映像コンテンツ紹介、リオデジャネイロの写真展、サンパウロ大学での学生交流。これらの取り組みは、政治や経済とは別のレイヤーで、中国とラテンアメリカの関係を補強しようとする動きとして位置付けられます。
今回の一連のイベントからは、次のようなポイントが見えてきます。
- フォーラムを通じて、文明や歴史に根ざした対話の重要性が共有されたこと
- ドラマやSF作品などのポップカルチャーが、異なる言語圏をつなぐ共通の話題になり得ること
- 写真展や大学での展示が、相手国の姿だけでなく、自国の若者の視点を見つめ直す機会にもなっていること
グローバル化が進む一方で、誤解や摩擦も生まれやすい時代だからこそ、こうした人と人、都市と都市をつなぐ文化交流の積み重ねが、長期的な信頼構築の土台になると考えられます。今後も、中国とラテンアメリカのあいだでどのような新しい文化の橋がかかっていくのか、注目していきたいところです。
Reference(s):
China, Latin America cultural exchange events held in Peru, Brazil
cgtn.com







