APECリマで中国・タイ首脳会談 鉄道とデジタルで関係強化へ
ペルーの首都リマで開かれた第31回APEC首脳会議の合間に、中国の習近平国家主席とタイのペートンターン・チナワット首相が会談しました。インフラからデジタル分野まで、中国・タイ関係の今後を占う内容となっています。
リマで中国・タイ首脳が会談
会談は、ペルーの首都リマで開かれた第31回APEC首脳会議に合わせ、現地時間の金曜日に開催されました。両首脳は、二国間関係と地域協力の幅広いテーマについて意見を交わしました。
習近平国家主席は、2022年11月のタイ訪問を振り返り、その際にタイ側と合意した「中国・タイの運命共同体」(共通の未来を分かち合う関係)の構築に向けた重要なコンセンサスが、実際の協力として着実に形になっていると評価しました。その上で、両国民に具体的な利益をもたらしていると強調しました。
「運命共同体」に向けた協力の柱
習主席は、中国とタイが歴史的な友好関係をさらに深めるため、次のような方向性を示しました。
- 両国の開発戦略をそろえて進めること
- 統治や行政運営の経験について意見交換を深めること
- あらゆる分野で互恵的な協力を拡大すること
こうした協力を通じて、両国の現代化(モダナイゼーション)を後押しし、「中国・タイ運命共同体」の構築をさらに進めていく考えです。
鉄道、新エネルギー、デジタルで連携強化
具体的なプロジェクトとして、習主席は特に次の点を挙げました。
- 中国・タイ鉄道建設の加速
- 新エネルギー分野での協力拡大
- デジタル経済や人工知能(AI)といった新しい産業分野での連携
- 文化・教育・若者交流の一層の強化
中国・タイ鉄道は、タイ国内の交通網だけでなく、将来的な地域の物流やサプライチェーンにも影響し得るインフラです。そこに新エネルギーやデジタル分野の協力が重なることで、両国の経済関係は「モノ」と「データ」の両面で結びつきが強まることになります。
多国間枠組みでの協力も確認
習主席は、中国がタイとともに、ランカン・メコン協力、ASEAN、BRICS、APECなどの多国間枠組みで協調を深めたい考えも示しました。目的は、ASEANと地域の国々の団結と協力を支え、地域の平和・安定・発展・繁栄に前向きな役割を果たすことだとしています。
世界が多くの課題に直面する中で、ペートンターン首相は、中国が提案してきたさまざまな国際協力イニシアチブについて「戦略的で先見性があり、国際社会の団結と協力を促すものだ」と評価しました。
タイ側の期待――「黄金の友好の年」と次の50年
ペートンターン首相は、中国をタイの「良き友人でありパートナー」と位置づけ、中国の貧困削減などの成果に敬意を表しました。そのうえで、国交樹立50周年を記念する「黄金の友好の年」を見据え、高いレベルでの往来をさらに強化し、今後50年を見通した関係の発展をともに描いていきたいと述べました。
タイはまた、中国の発展経験から学びつつ、「一帯一路」などの共同プロジェクトとして進めてきた中国・タイ鉄道などを引き続き前進させたい考えです。人的交流を一層深め、歴史ある両国の友好を次の世代につなげることにも意欲を示しました。
さらにペートンターン首相は、APECをはじめとする多国間の枠組みで中国との協力を強め、自由貿易体制の維持にもともに取り組みたいと表明しました。
なぜ中国・タイ関係が注目されるのか
今回の会談で浮かび上がったのは、インフラ、新産業、人材・文化交流という「ハード」と「ソフト」を組み合わせた協力のかたちです。中国とタイのパートナーシップが厚みを増せば、東南アジア全体の物流やデジタル経済の流れにも影響を与える可能性があります。
日本を含む地域の国々にとっても、中国・タイ関係の動きは、サプライチェーンや投資先、観光・人材交流のあり方を考えるうえで重要な指標になり得ます。今回のリマでの首脳会談は、その方向性を示す最新のサインといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








