北京の古いランタンフェスティバルを再現 高齢者施設が灯す万灯の光 video poster
中国の首都・北京で、古いランタンフェスティバルを現代によみがえらせ、高齢者の暮らしに光を灯そうとする小さなプロジェクトが進んでいます。国際ニュースを日本語で追う読者にとっても、都市と高齢社会のこれからを考えるヒントになる試みです。
北京を愛する女性がつくった「Courtyard No. 27」
北京に深い愛着を持つニウ・ルイシュエ(Niu Ruixue)さんは、その思いをかたちにするため、少人数の仲間とともに高齢者向けの活動拠点「Courtyard No. 27(二十七号院)」を立ち上げました。
ここは、高齢者が安心して集まり、日常の小さな楽しみや学びを共有できる場として設計されたアクティビティセンターです。家族以外の人とのつながりが生まれにくくなりがちな都市部で、「近所にもう一つの居場所をつくる」ことを目指している点が特徴です。
プロジェクト「Myriad of Lights」− 300年前の灯りを再現
その「Courtyard No. 27」が取り組む象徴的な企画が、「Myriad of Lights(万灯の光)」と名付けられたプロジェクトです。北京中心部のDengshikou Street(デンシコウ通り)で、約300年前と同じようにランタンフェスティバルを再現しようという試みです。
色とりどりの灯りが通りを埋め尽くすランタンフェスティバルは、かつて北京の冬の夜を明るく照らす一大イベントでした。「Myriad of Lights」は、その雰囲気を現代に再び呼び戻し、「Courtyard No. 27」の高齢者の利用者とともに味わうことを目指しています。
高齢者の「記憶」と「これから」をつなぐ
このプロジェクトの中心にいるのは、「Courtyard No. 27」に通う高齢者たちです。若いころの北京を知る人にとっては、失われつつある街の記憶を呼び起こす時間に、初めてこうした祭りに触れる人にとっては、新しい発見の機会になります。
ニウさんたちが目指しているのは、単なるイベントとしての再現ではありません。「灯り」をきっかけに、
- 世代を超えた対話が生まれること
- 地域の歴史への理解が深まること
- 高齢者が街の「主役」として参加できること
といった変化です。小さな路地のプロジェクトですが、高齢社会におけるコミュニティづくりのヒントが詰まっていると言えるでしょう。
日本の高齢社会への示唆
日本でも高齢化が進み、孤立や地域コミュニティの弱体化が課題になっています。北京の「Myriad of Lights」のように、地域の歴史や伝統行事を手がかりに、高齢者が活躍できる場をつくる発想は、日本のまちづくりにも参考になりそうです。
大規模な施設や派手なイベントでなくても、
- 身近な通りや商店街の歴史を掘り起こす
- 季節の行事を世代を超えて共有する
- 小さな集まりに意味づけを与える
といった工夫から、新しいつながりは生まれます。北京の一角で灯る無数のランタンは、アジアの他の都市にとってもヒントとなる光かもしれません。
静かに灯る国際ニュース
世界の政治や経済の大きなニュースと比べれば、「Courtyard No. 27」や「Myriad of Lights」の話題はとてもささやかに見えます。しかし、都市に暮らす高齢者の生活を少しでも明るくしようとするこうした取り組みは、私たちの身近な未来を考えるうえで見逃せない国際ニュースでもあります。
北京で再び灯ろうとしている古いランタンフェスティバルの光は、2025年の今を生きる私たちに、「どんな街で歳を重ねたいのか」という問いを静かに投げかけているようです。
Reference(s):
cgtn.com








