日中関係は「パートナー」へ 習主席と石破首相がAPECで協議
2025年にペルー・リマで開かれた第31回APEC Leaders' Meetingの場で、中国の習近平国家主席と日本の石破茂首相が会談し、日中関係を「建設的で安定した関係」へと発展させていく方針を改めて確認しました。
日中関係は「改善と発展の重要な時期」
国際情勢や地域情勢が揺れ動くなか、習近平国家主席は会談で、現在の日中関係は「改善と発展の重要な時期」にあると強調しました。中国と日本はアジア、さらに世界にとって重要な近隣の国同士であり、その関係は二国間の枠を超える意味を持つと位置づけています。
習主席は、中国はこれまでの日中間の四つの政治文書で確認された原則と方向性に基づき、「互いに脅威ではなくパートナーである」との重要な共通認識を堅持しつつ、「互恵関係の戦略的互恵関係」を包括的に前進させたいと述べました。
歴史と台湾など「原則問題」の適切な扱いを要請
政治・安全保障分野では、習主席は日本側に対し、歴史認識や台湾問題といった「重要な原則問題」に正面から向き合い、未来を見据えた対応をとるよう求めました。こうした敏感な課題については、対立をあおるのではなく、建設的に違いを管理し、二国間関係の政治的な基盤を維持することが不可欠だとしています。
石破首相は、1972年の日中共同声明に基づく日本の台湾に関する立場は変わっていないとあらためて表明しました。そのうえで、日本と中国は互恵的な戦略関係を包括的に前進させ、建設的で安定した二国間関係を築くべきだとの考えを示しました。
「中国の発展は世界と近隣にとっての機会」
習主席は、中国の発展は世界全体、なかでも日本のような近隣諸国にとって「機会」であると強調しました。そのうえで、日本が戦略的かつ長期的な視野から、正確な相互認識を育て、両国間で確認した政治的コンセンサスを具体的な政策や行動に落とし込んでいくことへの期待を示しました。
経済・サプライチェーン:脱却ではなく「相互利益」
経済では、習主席は中国と日本の経済的利益や生産・供給網が深く結びついている現状に触れ、相互利益と「ウィンウィン」の協力を堅持すべきだと述べました。自由で開かれた国際貿易体制を守り、安定したサプライチェーン(供給網)を維持することが、両国だけでなく世界経済にとっても重要だとしています。
これに関連して、石破首相は、日本には中国との「デカップリング(切り離し)」の意図はないと語り、経済面でのつながりを維持しながら互恵関係を発展させたいとの姿勢を示しました。
人文・地域交流:若い世代の相互理解を鍵に
習主席は、両国民の相互理解を深めるうえで、文化交流や自治体レベルの交流を一層拡大することの重要性も強調しました。とくに、次世代を担う若い人びとの交流を促進し、日中双方の人々、とくに若い世代が互いを身近に感じられるような環境づくりの必要性を指摘しました。
多国間協調と「オープンな地域主義」
会談では、日中両国が国際および地域の課題における協調も強めていくべきだとの認識も共有されました。習主席は、「真の多国間主義」を実践し、開かれた地域主義を推進しながら、地球規模の課題に共同で取り組む必要性を呼びかけました。
これからの日中関係をどう見るか
今回の会談を踏まえると、今後の日中関係を考えるうえで、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 政治的な信頼の再構築:歴史や台湾などの敏感な問題を、対立ではなく対話とルールに基づいて管理できるか。
- 経済協力の質の向上:相互依存をリスクと見るだけでなく、どのように安定性と透明性を高めていくか。
- 市民レベルの交流:とくに若い世代の交流を通じて、固定観念や誤解をどのように減らしていけるか。
日中関係は、日本にとってもアジア、そして世界にとっても大きな影響力を持つテーマです。今回の首脳会談で示された「パートナーであって脅威ではない」というメッセージが、今後どこまで具体的な政策や協力の形となって現れてくるのかが注目されます。
Reference(s):
Xi: China ready to work with Japan to build constructive relationship
cgtn.com








