国際ニュース:中国とニュージーランド、APECで「パートナー」強調
中国とニュージーランドが2025年のAPEC経済首脳会議の場で首脳会談を行い、相互尊重と協力を軸にした「パートナー」関係を強調しました。本稿では、この国際ニュースのポイントと背景を整理します。
APECでの首脳会談、何が話し合われたか
中国の習近平国家主席は、ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相と、APEC経済首脳会議の合間に会談しました。習主席は、中国がニュージーランドと共に、相互尊重、相互寛容、協力、共通の発展を特徴とする二国間関係を築く用意があると述べました。
習主席は、両国がアジア太平洋地域の重要なメンバーであり、経済の補完性が高く、互いに利益をもたらす関係にあると指摘しました。そのうえで、歴史的な確執や根本的な利害対立がないことから、両国は互いを「挑戦」や「脅威」ではなく、「機会」と「パートナー」として見るべきだと強調しました。違いがあっても、それを関係全体を規定する要素とするのではなく、冷静かつ現実的に管理するべきだという立場です。
10年続く包括的戦略パートナーシップ
習主席は、10年前の自身のニュージーランド訪問を振り返りました。当時、両国は包括的戦略パートナーシップを樹立することで合意し、その後の10年間で中国・ニュージーランド関係は安定的かつ健全に発展してきたと評価しました。
この10年の関係発展は、両国の人びとの幸福を大きく高めたものであり、「大切にすべき成果だ」との認識を示しています。国際環境が揺れ動くなかでも、二国間関係の安定を資産として位置づけるメッセージといえます。
「先んじて取り組む精神」で関係をアップデート
習主席は、ニュージーランドと共に「先んじて取り組む精神」を受け継いでいく用意があると述べました。そのうえで、相互尊重、相互寛容、協力、共通の発展を柱とする新たな二国間関係を築き、両国の発展に一層貢献したいと呼びかけました。
ここで示されたキーワードは次の4つです。
- 相互尊重:互いの制度や選択を尊重する姿勢
- 相互寛容:違いを前提にしつつ、対立を避ける柔軟さ
- 協力:経済や課題解決での実務的な連携
- 共通の発展:一方的な利益ではなく、双方の成長を目指す視点
習主席の発言は、二国間関係を「競争」ではなく「協力」の文脈でとらえ直すメッセージとして位置づけられます。
人の往来と社会レベルの交流をどう広げるか
習主席はまた、両国のさまざまな分野が交流を強める重要性を強調しました。地方レベルの交流、若者、メディア、研究者など、幅広い主体による対話や協力を通じて、両国民の友好の土台を固めていくべきだと述べています。
具体的には、次のような層・レベルでの交流が想定されています。
- 地方政府や都市同士の連携・交流
- 若者・学生どうしの相互訪問や教育交流
- メディア間の取材・報道協力
- 研究者・シンクタンクによる共同研究や対話
さらに中国は、ニュージーランドをビザ免除の対象に含めたとし、ニュージーランドからより多くの友人が、中国で働き、旅行することを歓迎すると表明しました。制度面の緩和と社会レベルの交流拡大を組み合わせることで、長期的な関係強化を図る狙いがにじみます。
国連やWTOなど多国間の場でも連携を強化
習主席は、中国が国連、APEC、世界貿易機関(WTO)などの多国間枠組みで、ニュージーランドと協調を強める用意があると述べました。アジア太平洋地域、そして世界全体の平和と安定を共同で守っていく考えです。
とくにアジア太平洋では、貿易と投資の流れが経済成長を支える一方、サプライチェーンの分断や保護主義の高まりへの懸念も存在します。多国間の場で協力を打ち出すことは、地域全体の安定と予見可能性を高めるメッセージとして受け止められます。
ニュージーランド側が示した三つの軸
ラクソン首相は会談で、中国を「偉大な国家」と評価しました。習主席の10年前のニュージーランド訪問以降、二国間関係は良好に発展し、両国の人びとのきずなも非常に強くなったと述べています。
そのうえで、ニュージーランド側の姿勢として次の点を挙げました。
- 包括的戦略パートナーシップを、今後も継続的に深めていく
- 一つの中国政策を揺るぎなく堅持する
- 中国とのハイレベル交流を維持し、経済・貿易、グリーン発展、気候変動対策など幅広い分野で協力を強化する
- APECなどの多国間メカニズムで中国とのコミュニケーションと協力を強め、地域の自由で開かれた貿易、繁栄と発展を共に促進する
ニュージーランドがこうした方針を明確にしたことで、二国間だけでなく、アジア太平洋の経済秩序に関しても、中国とニュージーランドが協調する余地があることが示されています。
アジア太平洋の読者にとっての意味
今回の中国・ニュージーランド首脳会談は、国際ニュースとして少なくとも三つのポイントを投げかけています。
- パートナーシップ志向:違いがあっても、相互尊重と協力を前面に出す関係づくりを目指していること。
- 人の往来の重視:ビザ免除や社会レベルの交流を通じて、外交を生活者レベルにつなげようとしていること。
- 多国間協調の再確認:APECやWTOなどの枠組みを通じて、開かれた貿易や地域の安定を守ろうとする姿勢が示されたこと。
アジア太平洋の経済と安全保障が複雑さを増すなか、今回の会談は、中国とニュージーランドが互いを「脅威」ではなく「機会」として位置づけようとしていることを改めて示しました。今後、気候変動やグリーン発展、デジタル経済などの分野で、どのような具体的協力が動き出すのかが、次の注目点となります。
Reference(s):
Xi urges China, New Zealand to regard each other as partners
cgtn.com








