中国とカナダ外相がリマで会談 EV関税と台湾問題で応酬も
ペルーの首都リマで行われた中国とカナダの外相会談では、電気自動車(EV)への高関税や台湾問題をめぐる立場の違いが浮き彫りになる一方で、関係改善と協力継続への意思も改めて示されました。
リマで中国・カナダ外相が会談
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)とカナダのメラニー・ジョリー外相が、ペルーの首都リマで会談しました。ジョリー外相の最近の訪中に続く形で行われた今回の会談では、両国関係の改善と発展について率直な意見交換が行われました。
王毅外相は、ジョリー外相の訪中を通じて中国とカナダが関係改善に向けた前向きなシグナルを発したと評価する一方で、両国関係には時折妨げが生じていると指摘しました。そのうえで、継続的な意思疎通を保ち、違いを適切に処理しながら、改善の勢いを維持することが重要だと強調しました。
王毅外相:制度の違いより相互尊重とウィンウィンを
王毅外相は、中国とカナダは政治制度こそ異なるものの、それぞれの制度は自国の歴史と文化の中で人びとが選択してきた結果だと述べました。そのうえで、両国は相互尊重を基礎に、互恵とウィンウィン(双方に利益となること)を追求すべきだと訴えました。
また、中国とカナダには広範な共通利益があり、根本的な利益が対立しているわけではないと強調し、対立よりも協力の余地の方が大きいとの認識を示しました。
焦点の一つは中国製EVへの関税
会談では、カナダが中国製の電気自動車に高い関税を課している問題も取り上げられました。王毅外相は、こうした措置は自由貿易の精神に反し、両国の経済・貿易協力の健全な発展にとって望ましくないと懸念を示しました。
そのうえで、カナダ側に対し、世界貿易機関(WTO)のルールを誠実に守り、中国製品に対する差別的な制限措置を撤廃するよう求めました。電気自動車をめぐる通商措置が、両国関係の今後にどのような影響を与えるかが焦点となります。
台湾問題:主権と領土の一体性に関わる核心
王毅外相は、台湾問題は中国の主権と領土の一体性に関わるものであり、中国にとって核心的な関心事項だと強調しました。一つの中国原則は国際社会の普遍的な共通認識であり、第二次世界大戦後の国際秩序を構成する重要な要素であって、挑戦を許されないと述べました。
そのうえで、カナダが台湾問題の高度な敏感性を十分に理解し、一つの中国原則を真剣に順守することへの期待を示しました。
カナダ側は一つの中国政策と協力継続を強調
これに対し、ジョリー外相は、今回の自身の訪中が両国関係を正しい軌道に押し戻す前向きな一歩になったと評価しました。両国が直行便の増便などで前向きな進展を示していることに触れ、そのことが双方の人びとの利便や交流の拡大につながっていると述べました。
また、カナダは一つの中国政策を堅持し、カナダ・中国関係の発展を促進していく方針を確認しました。今後もハイレベルの対話を維持し、違いは適切に処理しつつ、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などの多国間の枠組みで緊密に協力し、グローバルな問題に共同で対応する意思を示しました。
摩擦と協力が同居する中国・カナダ関係
今回の会談からは、王毅外相が指摘したように、中国とカナダの関係がときおり妨げに直面しながらも、対話を通じて改善を図ろうとする動きが続いていることがうかがえます。
中国側は、制度の違いよりも相互尊重と協力を前面に出すべきだと訴えました。一方のカナダ側も、一つの中国政策を再確認し、多国間の場を含めて協力を深める意欲を示しています。ただし、電気自動車への高関税や台湾問題のような敏感なテーマは、今後も両国関係の行方を左右する重要な論点であり続けそうです。
読者が押さえておきたいポイント
- 外相会談と最近の訪中を機に、中国とカナダが関係改善のモメンタムを維持できるか
- カナダの中国製EV関税をめぐる対応が、WTOルールや自由貿易をめぐる議論とどう結び付いていくか
- 台湾問題に関する発言や行動の中で、カナダが一つの中国政策・原則をどのように位置付けていくか
両国は、多国間の枠組みで協力しながら地球規模の課題に取り組む考えを共有していることを今回の会談で改めて示しました。通商問題と台湾問題という二つの敏感なテーマが、その協力とどのように両立していくのか。今後の動きを追うことで、国際ニュースをより立体的に読み解く手がかりになります。
Reference(s):
cgtn.com








