天舟7号貨物宇宙船が大気圏再突入 中国の補給ミッションが節目
中国の天舟7号貨物宇宙船が日曜日に大気圏への制御再突入を行い、宇宙ステーションへの補給任務の一段落を迎えました。機体のほとんどは大気中で燃え尽き、ごく一部の残骸のみが南太平洋の安全海域に落下する設計です。
今回のニュースのポイント
- 天舟7号貨物宇宙船が日曜日に大気圏への制御再突入を実施
- 再突入では大部分の機体が燃え尽き、残骸は南太平洋の指定安全海域に落下
- 11月10日に宇宙ステーション複合体から分離し、単独飛行に移行
- 2024年1月17日に中国南部・海南島の文昌宇宙発射場から打ち上げ
日曜日に実施された「制御再突入」とは
中国有人宇宙局によりますと、天舟7号は日曜日に大気圏への制御再突入を行いました。制御再突入とは、宇宙機が寿命を迎えた後、姿勢や軌道をコントロールしながら大気圏に再突入させ、落下位置をあらかじめ想定した範囲に限定する運用手法です。
今回の天舟7号では、再突入中に多くの機体構造が高温の大気との摩擦で燃え尽きる一方、燃え残る一部の破片は南太平洋上の指定された安全海域に落下するよう計画されています。人の居住や航路から離れた海域を選ぶことで、地上や海上への影響を最小限に抑える狙いがあります。
11月10日に宇宙ステーション複合体から分離
中国有人宇宙局によると、天舟7号は11月10日に軌道上のステーション複合体から分離し、単独飛行の段階に入りました。この分離によって、宇宙ステーションへの物資輸送という主な役割を終え、再突入に向けた準備フェーズに移行した形です。
宇宙ステーション複合体からの分離後は、軌道を徐々に調整しながら高度を下げ、地上からの管制のもとで再突入が実施されたとされています。
打ち上げは2024年1月 海南島・文昌から
天舟7号貨物宇宙船は、2024年1月17日に中国南部の海南島にある文昌宇宙発射場から打ち上げられました。南の島に位置する文昌は、海に面した地理条件を生かし、打ち上げロケットが万が一トラブルを起こしても、落下物が海に落ちやすいという利点があります。
打ち上げ後、天舟7号は宇宙ステーション複合体とドッキングし、物資や機器などを届ける任務を担いました。その後、11月10日の分離を経て、今回の制御再突入によってミッションの主要な工程を終えたことになります。
なぜ制御された再突入が重要なのか
大型の宇宙機をそのまま放置すると、軌道上に長く残る「宇宙ごみ」となり、他の衛星や宇宙ステーションとの衝突リスクを高めてしまいます。また、制御されていないまま大気圏に再突入した場合、軌道や姿勢によっては、燃え残った破片が予測しづらい場所に落下する可能性もあります。
こうしたリスクを減らすため、寿命を迎えた宇宙機を「いつ」「どこで」再突入させるかを制御することは、宇宙開発における基本的な安全対策の一つになりつつあります。今回の天舟7号のように、安全海域を指定して再突入させる運用は、宇宙活動の持続可能性を高めるうえでも重要なステップといえます。
宇宙ステーション運用と補給ミッションのこれから
宇宙ステーションの長期運用には、定期的な物資補給が欠かせません。食料や水、酸素、実験機器、交換部品などを届ける貨物宇宙船は、地上と宇宙をつなぐ「物流インフラ」の役割を担っています。
今回の天舟7号のように、打ち上げからドッキング、補給、分離、そして制御再突入までを一連のサイクルとして安全に完了させることは、宇宙ステーション計画の安定した運用に直結します。同時に、再突入時のリスク管理を徹底することは、宇宙空間と地上の双方で安全性を確保するうえで不可欠です。
読者にとっての問いかけ
宇宙ごみの増加や、安全な再突入のあり方は、今後ますます議論が深まるテーマです。宇宙機を「使い捨て」にするだけでなく、どのように安全に「終わらせる」かという視点は、環境問題や資源の使い方にも通じる発想といえます。
スマートフォン越しに見ている宇宙ニュースの裏側で、どのような安全設計やリスク管理が行われているのか。天舟7号の再突入は、そうした視点から宇宙開発を考えてみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Tianzhou-7 cargo spacecraft successfully re-enters atmosphere
cgtn.com








