中国とラテンアメリカ、デジタル変革で連携強化 インフラ投資のいま
世界が次のつながる時代へ向かうなか、中国とラテンアメリカの協力によるデジタル変革が加速しています。インターネット格差を埋め、経済の潜在力を引き出そうとする動きは、2025年の今も国際ニュースとして注目すべき流れです。
ラテンアメリカで進むデジタル変革
ラテンアメリカ各国では、デジタル変革が急がれています。その背景には、地域内のデジタル・ディバイド(情報格差)を縮め、経済成長と社会包摂を両立させたいという強いニーズがあります。
この動きを支えているのが、中国とのパートナーシップです。高度な通信技術と、イノベーションを重視する姿勢を共有することで、ラテンアメリカのデジタル基盤づくりが進んでいます。
デジタルインフラ需要と広がる投資
ラテンアメリカのネットワークインフラは、世界のほかの地域と比べると、依然として発展途上とされています。国連開発計画の統計によると、2022年時点でラテンアメリカの世帯インターネット普及率は67.3パーセントにとどまりました。一方、OECD諸国では91.1パーセントに達しており、その差は小さくありません。
- ラテンアメリカの世帯インターネット普及率:67.3%(2022年)
- OECD諸国の世帯インターネット普及率:91.1%(同年)
こうした格差を埋めるために、同地域ではデジタルインフラへの投資が勢いを増しています。より速く安定した接続を求める需要が高まり、官民の投資を後押ししているのです。
光ファイバーが主役に、経済効果への期待
この流れの中で、光ファイバーネットワークがラテンアメリカの主要なブロードバンド技術として存在感を高めています。デジタルインフラへの投資が進むのに合わせ、光ネットワークの整備も加速しています。
国際電気通信連合の分析では、アメリカ大陸で固定ブロードバンドの普及率が10ポイント高まると、一人当たりGDPが1.9パーセント押し上げられる可能性があるとされています。インフラ整備が経済成長に直結し得るという試算は、各国にとって強いインセンティブとなっています。
中国との協力が果たす役割
こうしたラテンアメリカのデジタル変革において、中国は重要なパートナーとして位置づけられています。中国企業は、自国で培った技術と運用経験をもとに、同地域のネットワーク高度化を後押ししています。
具体的には、次のような分野で協力が進んでいます。
- 5Gインフラの導入支援
- スマート産業パークの建設
- 国内外を結ぶ通信ネットワークの高度化
アマゾンでの光ファイバー整備とブラジルでの接続強化
通信機器大手のファーウェイは、2020年以降、アマゾン熱帯雨林地域で8000キロメートル超の光ファイバーを敷設し、約370万人にインターネット接続をもたらしたとされています。地理的ハードルの高い地域でのプロジェクトは、ラテンアメリカのデジタル包摂に直接つながる取り組みといえます。
またチャイナテレコムは、ブラジル国内および国際回線の接続需要に対応できるスケーラブルな通信ソリューションを提供してきました。これにより、企業や利用者が安定したネットワークを利用しやすくなり、ビジネスやサービスのデジタル化を支える土台が強化されています。
つながりが生むイノベーションと持続可能性
中国とラテンアメリカのデジタル分野での協力は、単に通信速度を上げるだけの話ではありません。文化交流の活性化、新しいサービスやビジネスモデルの創出、環境にも配慮した持続可能な成長など、長期的な広がりを持つ取り組みとして位置づけられています。
インターネットへのアクセスが広がることで、教育や行政サービスへのアクセス改善、地域コミュニティの情報発信力の向上など、多様な分野で変化が期待されます。デジタル変革は、社会のあり方そのものを静かに変えていくプロセスでもあります。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、ラテンアメリカは物理的にも心理的にも遠い地域に感じられがちです。しかし、デジタルインフラを通じた中国とラテンアメリカの連携は、グローバルなデジタル経済の中で何が起きているのかを考えるうえで、重要な示唆を与えてくれます。
情報格差をどう埋めるのか、インフラ投資をどう経済成長につなげるのか、そして他地域との協力をどう設計するのか。ラテンアメリカの事例は、アジアや日本にとっても無関係ではありません。ニュースとして追うだけでなく、自分たちの社会の未来を考える材料としても、注目しておきたい動きです。
Reference(s):
China, Latin America deepen collaboration in digital transformation
cgtn.com








