中国ゲーム『Black Myth: Wukong』がTGA年間最優秀ゲーム候補に
2024年のThe Game Awards(TGA)で、中国のゲーム『Black Myth: Wukong』が年間最優秀ゲーム(Game of the Year)にノミネートされ、TGA史上初の中国作品として歴史を塗り替えました。
同じくノミネーションには、2022年の年間最優秀ゲームだった『エルデンリング』のダウンロードコンテンツ(DLC)『Shadow of the Erdtree』も名を連ねており、こちらもDLCとして初めてGame of the Yearに選出されました。2025年のいま振り返ると、この二つの「初」がゲーム業界にもたらした意味は小さくありません。
TGAとは何か:世界が注目するゲームの祭典
The Game Awards(TGA)は、世界中のゲームメディアやプレイヤーが注目する年末恒例の授賞イベントです。年間最優秀ゲーム(Game of the Year)は、その年を代表する一本として位置付けられ、国際ニュースとしても取り上げられるほどの影響力を持ちます。
2024年のTGAでは、全部で6作品がGame of the Yearのファイナリストに選出され、そのひとつが中国の『Black Myth: Wukong』でした。国・地域の枠を超えて作品が評価される場で、中国のゲームがここまで高く評価されたことは、アジア全体のゲーム開発にとって象徴的な出来事と言えます。
『Black Myth: Wukong』とはどんなゲームか
『Black Myth: Wukong』は、中国のスタジオが手がけるアクションゲームで、中国古典文学をモチーフにした世界観や、緻密なビジュアル表現が特徴とされています。細部まで作り込まれた映像と激しいバトルシーンは、発表時から世界のゲームファンの注目を集めてきました。
今回のTGAノミネーションによって、この作品は「話題の新作」という枠を超え、国際的な評価の場で他の有力タイトルと肩を並べる存在として認められたことになります。特に、「初の中国作品ノミネート」という事実は、中国ゲーム産業の成長と、世界市場での存在感の高まりを象徴しています。
もうひとつの「初」:DLC『Shadow of the Erdtree』の選出
2024年のTGA Game of the Yearでは、もうひとつ歴史的なトピックがありました。それが、『エルデンリング』のDLCである『Shadow of the Erdtree』のノミネーションです。
『Shadow of the Erdtree』は、2022年のGame of the Yearに選ばれた『エルデンリング』の追加コンテンツであり、TGAの年間最優秀ゲーム部門にDLCがノミネートされるのは初めてとされています。通常、DLCは「本編を補完するコンテンツ」と見なされがちですが、今回の選出は、DLC単体でも一年を代表する作品として評価され得ることを示しました。
つまり、2024年のTGA Game of the Yearは、「初の中国作品」と「初のDLC作品」という二つの突破口が同時に生まれた年でもあったのです。
なぜこのニュースが重要なのか
中国の『Black Myth: Wukong』と、DLC『Shadow of the Erdtree』のノミネーションは、単なる受賞レース以上の意味を持ちます。2025年の視点から見ると、次のような変化の兆しが読み取れます。
- ゲームの「地理」が変わりつつある
これまで年間最優秀ゲーム候補の多くは、欧米スタジオのタイトルが占めてきました。そこに中国作品が名を連ねたことで、アジア発ゲームの存在感が一段と高まったと言えます。 - 作品の「形」も多様化している
DLCである『Shadow of the Erdtree』がGame of the Yearにノミネートされたことは、「一本のパッケージ作品」だけでなく、拡張コンテンツや長期運営型のタイトルも、年を代表する作品として評価されうることを示しています。
日本・アジアのプレイヤーにとっての意味
日本やアジアのプレイヤーにとって、中国の『Black Myth: Wukong』がTGAで評価されたことは、「近い地域から世界級のタイトルが次々と生まれうる」という実感につながります。同じアジア圏の作品が世界的なアワードで存在感を示すことは、日本の開発者やプレイヤーにとっても刺激となるでしょう。
また、DLCがGame of the Yearにノミネートされた事例は、これからのゲーム体験が「発売日で終わる」ものではなく、「長く遊び続けるプロジェクト」として評価されていく流れを象徴しているとも言えます。
これからのゲーム業界への示唆
2024年のTGA Game of the Yearノミネーションが示したのは、次のような方向性です。
- 地域の多様化:中国を含むアジア各地から、世界基準の大作が当たり前に生まれる時代に入りつつある。
- 評価軸の変化:DLCや拡張コンテンツも、単なる追加要素ではなく、独立した作品として評価されるようになっている。
- プレイヤー体験の重視:技術や映像美だけでなく、長期的な物語体験やコミュニティとの関係性も、評価の重要な要素になりつつある。
2025年にゲームを遊ぶ私たちにとって、『Black Myth: Wukong』と『Shadow of the Erdtree』のノミネーションは、「どの地域のどんな形のゲームが世界を驚かせるのか」という問いを、改めて投げかける出来事だったと言えるでしょう。
Reference(s):
China's 'Black Myth: Wukong' nominated for TGA Game of the Year
cgtn.com








