G20リオで習主席とショルツ氏会談 中国・ドイツ関係を「戦略的視点」で再確認
ブラジル・リオデジャネイロで開かれている第19回G20サミットの場で、中国の習近平国家主席とドイツのオラフ・ショルツ首相が会談し、中国とドイツの関係を長期的かつ戦略的な視点から捉え直す必要性を強調しました。EUによる中国製電気自動車(EV)への関税決定にも触れ、対話による解決を呼びかけています。
G20リオでの中独首脳会談 何が話し合われたのか
会談は、リオデジャネイロで開催中の第19回G20サミットの合間に行われました。習近平国家主席は、ショルツ首相が今年4月に中国を訪問した際、両首脳が率直で深い議論を行い、その後数か月で具体的な成果が出ていると振り返りました。
習主席によると、この間に中国とドイツは次のような分野で協力を進展させてきました。
- グリーン開発(環境負荷を抑えた成長)
- 持続可能な交通(サステナブルな交通インフラや技術)
- アフリカにおける農業分野での協力
こうした成果を踏まえ、習主席は「中独協力は新たな力と活力を示している」と述べ、今後の関係発展に自信を示しました。
「長期的・戦略的視点」での中独関係とは
習主席は、中国とドイツが世界第2位と第3位の経済大国であり、国際社会に大きな影響力を持つことを改めて指摘しました。そのうえで、両国は二国間関係を「長期的で戦略的な視点」から見ていく必要があると強調しました。
具体的には、次のような方向性が示されています。
- 包括的戦略パートナーシップの強化:短期的な利害ではなく、長期的な安定と協力を重視する。
- 互いの核心的利益と重大な関心事項の尊重:相手の重要な関心事を尊重しつつ、意見の違いは管理する。
- 「求同存異」と交流による相互学習:異なる点を残しつつ、共通点を広げる姿勢で交流を深める。
習主席は、中国の対ドイツ政策は「高度に安定しており、一貫している」と述べ、中国がドイツとの関係を重視している姿勢を改めて示しました。
経済の相互依存と「共通の未来」
中国とドイツは経済面で深い相互依存関係にあります。この点について習主席は、中独協力は「共同発展の機会」であり、「共に創り出す未来」を意味すると表現しました。
中国側はドイツを「中国式現代化の推進における重要なパートナー」と位置づけており、今後もドイツ企業に対して幅広い市場機会を提供し続ける方針です。
さらに、両国が今後重点を置くべき協力分野として、習主席は次の3つを挙げました。
- デジタル化:産業や社会のデジタル転換に向けた協力。
- インテリジェント技術:人工知能(AI)など、知能化技術を活用した産業高度化。
- 低炭素化:脱炭素・省エネ技術を通じた気候変動対策と産業改革。
また、中国とドイツが第三国市場での共同プロジェクトを拡大し、「互恵・ウィンウィン」の成果を追求していくべきだとも述べています。特にアフリカなどでの農業協力は、その一例といえるでしょう。
ヨーロッパとの関係と多極化する世界
習主席は、中国がヨーロッパを「多極化する世界における重要な極」として重視している点にも言及しました。ここでいう「多極化」とは、特定の国だけではなく、複数の国・地域が影響力を持つ国際秩序を指します。
中国はヨーロッパとともに、国際社会が直面するさまざまな課題に取り組みつつ、中国とヨーロッパの関係が安定的かつ健全に発展するよう協力していきたい考えです。その中でドイツは、経済規模やEU内での存在感から、重要なパートナーと位置づけられています。
EUの中国製EV関税をめぐる姿勢「対話と協議で解決を」
今回の会談では、世界的にも注目を集めているテーマである、EUによる中国製電気自動車(EV)への関税決定にも触れられました。
習主席は、中国が依然として「対話と協議を通じて」貿易摩擦や意見の違いを解決する姿勢を維持していると説明しました。そのうえで、中国はドイツがこのプロセスで今後も「重要な役割」を果たすことへの期待を表明しました。
自動車産業はドイツ経済にとって中核的な産業であり、中国市場とのつながりも深いため、このテーマはドイツにとっても避けて通れない課題です。中国側は、協力の拡大と市場開放を打ち出しつつ、対立ではなく協議による調整を重視する姿勢を明確にしています。
なぜ今、中独関係がこれほど重視されるのか
今回の中独首脳会談は、次のような点で国際ニュースとして注目されています。
- 世界経済の不透明感が高まる中での安定志向:大きな経済規模を持つ2か国が、長期的で戦略的な協力を改めて確認したこと。
- グリーン・デジタル分野での協力強化:気候変動対策やデジタル化など、世界共通の課題に向けた実務的な協力の方向性が示されたこと。
- 通商摩擦への「対話」アプローチ:EV関税問題など緊張をはらむテーマについても、対話と協議を通じた解決を強調したこと。
中国とドイツの関係は、両国だけでなく、中国とヨーロッパ全体の関係、ひいては国際経済と国際秩序のあり方にも影響します。今回の会談は、その方向性を占う一つのシグナルといえそうです。
ニュースをどう読むか:読者への問いかけ
今回の中独首脳会談は、単なる二国間の外交イベントにとどまらず、「どのような国際関係を望むのか」という問いを投げかけています。
- 経済の相互依存が深まる中で、競争と協力をどう両立させるのか。
- 気候変動やデジタル化といった共通課題に、各国はどう連携して向き合うべきか。
- 通商摩擦が起きたとき、「対話」と「関税・制裁」のどちらを優先すべきか。
スマートフォン越しに国際ニュースを追う私たちにとっても、中独関係や中国・ヨーロッパ関係の動きは、仕事やビジネス、将来のキャリア選択に少なからず影響します。今回のG20リオでのやり取りをきっかけに、世界のパワーバランスと協力のかたちについて、改めて考えてみるタイミングと言えるかもしれません。
Reference(s):
Xi says China, Germany need to view ties from strategic perspective
cgtn.com







