アンデスの女王がつなぐ中国とペルー 華南植物園から見る生物多様性協力
アンデスの高地にしか生えない「宝物の植物」が、中国とペルーの生物多様性協力を象徴する存在になりつつあります。国際ニュースとしても、環境と外交が静かにつながる興味深い動きです。
広州の植物園に並ぶ「ペルーからの棚」
中国南部・広東省広州市にある中国科学院系の華南植物園では、ペルー産の植物標本だけを集めた棚が丁寧に並べられています。2025年現在、この植物園にはペルーから集められた標本が6,300種に達しており、わずか10年あまり前には数百種にとどまっていたことを考えると、協力関係の広がりが見えてきます。
こうした標本コレクションは、単なる「コレクション」ではなく、ラテンアメリカとアジアを結ぶ生物多様性研究の基盤になっています。気候、標高、生態系が大きく異なる地域の植物を比較できることは、研究者にとって大きな資源です。
「アンデスの女王」――宝物と呼ばれる理由
数ある標本の中でも、ひときわ目を引くのが、黄色い大きな葉を持つブロメリア科の植物「アンデスの女王」です。ペルー原産で、標高3,000〜4,800メートルというアンデス山脈の高地にしか見られない、文字通りのレア種です。
華南植物園の研究者・葛学軍(Ge Xuejun)氏によると、この植物は高さ10メートルを超えることもあり、地球上で最大のブロメリア科植物とされています。植物学の世界でも「スター種」と呼べる存在で、その大きさと希少性から、まさに「宝物の植物」として扱われています。
なぜ中国とペルーは植物で協力するのか
今回の中国とペルーの連携は、生物多様性の保全という共通課題に向き合うためのものです。ペルーは世界的にも豊かな生態系を持つ国のひとつであり、中国も多様な気候帯と生物相を抱えています。双方が持つ植物データや標本を共有することで、次のような効果が期待できます。
- 気候変動などによる生態系の変化を、より広い視野で分析できる
- 絶滅のリスクがある種を早く発見し、保護策を検討しやすくなる
- 薬用や農業など、人の生活に役立つ可能性を持つ植物の情報を活用できる
国境を越えて標本や知見を共有することは、ひとつの国だけでは見えない「地球規模の変化」を捉えるための重要なステップです。華南植物園の棚に並ぶペルー産標本は、その具体的な成果の一端だと言えるでしょう。
「遠いアンデス」を自分ごととして考える
日本から見ると、中国南部の植物園とペルーの高地は、どちらもかなり遠い場所に感じられるかもしれません。それでも、そこで進む生物多様性研究は、私たちの暮らしとも無関係ではありません。
- 新しい作物や薬のヒントが、こうした希少な植物から見つかる可能性がある
- 地球規模の環境変化を理解することは、日本の防災や農業政策にもつながる
- 国と国が科学でつながることは、外交の緊張を和らげる「第2の対話チャンネル」になりうる
国際ニュースを追うとき、政治や経済だけでなく、こうした静かな研究協力にも目を向けると、世界の見え方が少し変わります。アンデスの高地で育つ一つの植物が、中国とペルー、そして世界をゆるやかにつなぐ。そんな視点を持つことが、これからの時代の「国際感覚」の一部になっていきそうです。
SNSで共有するときの視点とハッシュタグ案
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Reference(s):
'Treasure' plant drives China-Peru cooperation to protect biodiversity
cgtn.com








