中国・インド関係「安定・健全な軌道へ」 王毅外相が早期正常化を呼びかけ
中国の王毅(ワン・イー)外相が、インドとの二国間関係を「安定し、健全な発展の軌道」に早期に戻すべきだと呼びかけました。国際ニュースとして注目される中国とインドの関係改善の動きについて、日本語で分かりやすく整理します。
ブラジル・リオで中印外相が会談
王毅外相(中国共産党中央政治局委員)は、ブラジル・リオデジャネイロで、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相と会談しました。現地時間の月曜日に行われたこの会談で、王毅外相は中国とインドの関係について「安定し、健全な発展の軌道への復帰」を強く訴えました。
王毅外相は、中国とインドの関係を立て直し、新たなスタートを切ることは、両国の人びとの根本的な利益にかなうだけでなく、いわゆるグローバル・サウス諸国の期待にも沿い、「歴史の正しい方向」に合致すると位置づけました。
相互尊重と対話で信頼を高めるべきと強調
会談で王毅外相は、両国関係を安定させるための基本的な考え方として、次の点を挙げました。
- 両国の指導者がこれまでに達成した重要なコンセンサス(合意)を着実に実行すること
- お互いの核心的利益を尊重すること
- 対話とコミュニケーションを通じて相互信頼を高めること
- 相違点や意見の違いを、誠意と誠実さをもって取り扱うこと
さらに王毅外相は、中国とインドの双方が、より多くの「前向きなシグナル」を発信し、両国の交流を後押しする行動を積み重ねることで、相互の信頼を高め、疑念を減らすべきだと述べました。
実務的な一歩:直行便・記者交換・ビザ円滑化
王毅外相は、関係改善を「言葉」だけで終わらせず、「実務的な進展」をできるだけ早く実現する必要性も強調しました。具体的には、次のような措置を挙げています。
- 中国とインドを結ぶ直行便の再開
- 記者(ジャーナリスト)の相互派遣・交換
- ビザ発給手続きの円滑化(ビザ・ファシリテーション)
こうした具体策は、人や情報の往来を増やし、互いの社会や考え方への理解を深める「土台づくり」と位置づけられます。デジタルネイティブ世代にとっても、実際の交流や現地からの報道が増えることは、中国とインドをより身近に感じるきっかけになりそうです。
来年は国交樹立75周年 記念行事と交流拡大へ
王毅外相は、来年、中国とインドの国交樹立75周年を迎えると指摘しました。そのうえで、この節目の年に向けて、両国は記念行事を計画するとともに、あらゆる分野・あらゆるレベルでの交流と相互訪問を後押しする必要があると述べました。
政治、経済、文化、教育など幅広い分野で交流を増やすことで、相互理解と信頼を高めたいという考え方です。王毅外相は、こうした交流が「両国の人びとの相互理解と信頼を深める」ことにつながるとしています。
「共通点は相違よりはるかに多い」 大国同士の協力を強調
王毅外相は、中国とインドを「二つの大きな途上国であり、隣国」だと位置づけたうえで、両国には「相違よりもはるかに多くの共通の利益がある」と強調しました。
そのうえで、両国は互いの発展を「脅威」ではなく「機会」として捉えるべきだと指摘し、共同で発展と振興を実現するために手を携えるべきだと呼びかけました。これは、開発途上国全体の正当な権利・利益を守り、世界の多極化の進展を促すことにもつながるとしています。
ここでいう「世界の多極化」とは、特定の一国だけでなく、複数の国や地域がバランスよく影響力を持つ国際秩序を目指す考え方です。王毅外相は、その流れの中で中国とインドが重要な役割を果たし得るというメッセージを発した形です。
非同盟・多国間主義での共通点
王毅外相は、中国とインドの外交路線にも共通点があると指摘しました。両国はともに、
- 非同盟の外交政策を掲げていること
- 多国間主義(多国間の枠組みや国際機関を重視する姿勢)を堅持していること
- 国際関係の民主化を支持していること
を挙げ、こうした共通点を生かして国際社会での協調を強めるべきだと述べました。
国際ニュースの観点から見ると、これは一国主導ではない国際秩序づくりにおいて、中国とインドが連携する余地が大きいことを示唆していると言えます。
BRICSと上海協力機構でも連携を継続
王毅外相はさらに、中国とインドが国際場裏での協力を続けるべき具体的な枠組みとして、
- BRICS(新興経済国などが参加する協力枠組み)
- 上海協力機構(安全保障や経済協力などを扱う地域協力機構)
を挙げました。
両国はこれらの枠組みの中で協調と連携を強化し、その発展を後押ししていくべきだとしています。グローバル志向の読者にとっては、BRICSや上海協力機構の動きが、今後の国際政治・国際経済にどう影響していくのかを考えるうえで、注目すべきポイントになりそうです。
今回のメッセージが示すもの
今回の会談で王毅外相が示したのは、
- 政治レベルでのコンセンサスの履行
- 互いの核心的利益の尊重
- 対話による信頼醸成
- 直行便やビザなど、具体的で実務的な協力
- 国交樹立75周年に向けた交流拡大
- グローバル・サウスや多極化を見据えた国際協調
といった、多層的なアプローチです。中国とインドという二つの大国が、こうした方向性で関係を整えていくのかどうかは、アジアだけでなく、開発途上国を含む国際社会全体にとって大きな意味を持ちます。
SNSでシェアする際には、「中印関係の安定化がグローバル・サウスにとって何を意味するのか」という視点で議論してみるのも、次の一歩につながるかもしれません。
Reference(s):
Wang Yi calls for China-India ties back to stable, healthy track
cgtn.com








