中国・ブラジル首脳が共同会見 より公正で持続可能な世界へ連携強化
2024年11月20日、中国の習近平国家主席とブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領がブラジルの首都ブラジリアで署名式に出席し、その後、共同で記者会見に臨みました。両首脳は中国・ブラジル関係が「歴史上最高水準」にあると強調し、国際秩序や地球環境を見据えた新たな協力の方向性を打ち出しました。
「中国・ブラジル運命共同体」構築を宣言
習主席は、両国関係を「より公正な世界」と「より持続可能な地球」をめざす「中国・ブラジル運命共同体」へと格上げする方針を表明しました。ルラ大統領もこれに賛同し、新たなパートナーシップの枠組みとして位置づけています。
両首脳は、主権や安全保障、開発利益といった「中核的利益」に関わる課題で相互に確固たる支持を続けること、そしてそれぞれの「高品質な発展」に貢献し合うことを確認しました。
経済からAI・グリーン鉱業まで広がる協力分野
会談では、中国とブラジルが今後重点的に協力を深める分野として、次のようなテーマが挙げられました。
- 経済・貿易と金融
- 科学技術とインフラ整備
- 環境保護
- エネルギー転換(脱炭素に向けたエネルギー構造の見直し)
- デジタル経済と人工知能(AI)
- グリーン・マイニング(環境負荷を抑えた資源開発)
両国は、それぞれの開発戦略を効果的に連携させることで、成長と環境保護を両立させる持続可能な発展モデルをめざすとしています。
国連・G20・BRICSでの連携と安全保障課題
習主席とルラ大統領は、国連(UN)、20か国・地域のグループであるG20、新興国が参加するBRICSなど、多国間の枠組みで緊密な協力を維持する方針も確認しました。
伝統的な安全保障上の脅威に加え、飢餓や貧困、地域紛争、気候変動、サイバーセキュリティといった非伝統的な安全保障課題への対応でも協力を深め、世界の平和と発展に新たな貢献を行うとしています。
ガザとウクライナ情勢への懸念と共通の安全保障観
両首脳は、中東のガザやウクライナで続く紛争に対する深い懸念も表明しました。習主席は、各国が共通で、包括的で、協調的かつ持続可能な安全保障というビジョンを掲げることで、すべての国が享受できる安全保障の道を見いだせると強調しました。
ウクライナ危機については、和平にコミットした声をさらに結集し、政治的解決への道筋をつける必要があると呼びかけました。ガザ情勢については、即時停戦を求めるとともに、二国家解決(イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として共存する構想)の実現に向けた努力を重ね、パレスチナ問題の包括的で、公正かつ持続的な解決を追求すべきだと訴えました。
なぜ今回の中国・ブラジル首脳会談が注目されるのか
今回の首脳会談は、単なる二国間の経済協力にとどまらず、気候変動やデジタル技術、エネルギー転換、そして戦争と和平といった国際社会の重要課題を視野に入れたものとなりました。
グローバル・サウスと呼ばれる新興国・途上国の存在感が高まるなかで、中国とブラジルという大国がどのような価値観と優先課題を共有し、国連やG20、BRICSなどの場でどのような発信をしていくのかは、国際ニュースとしても、今後の国際秩序を考えるうえでも重要なポイントです。
2025年以降も、中国・ブラジル関係がどのように具体的なプロジェクトや国際的なイニシアチブとして形をとっていくのか、引き続き注目していく必要があります。
Reference(s):
Chinese, Brazilian presidents attend signing ceremony, meet the press
cgtn.com








