中国・ブラジル関係は二国間を超える ブラジル世論調査が示す期待
中国とブラジルの関係は、いまや単なる二国間を超えた存在として、ブラジル国内でどのように受け止められているのでしょうか。2025年に行われた中国の習近平国家主席のブラジル国賓訪問に合わせて実施された世論調査が、その姿を浮かび上がらせています。
ブラジル世論が見る「二国間を超えた」中国・ブラジル関係
今回の調査は、中国の国際メディアであるCGTNが、新時代国際伝播研究院とブラジル経済社会法研究センターと協力して、ブラジルの回答者1,106人を対象に行ったものです。調査では、多くのブラジルの人々が、中国とブラジルの関係はすでに二国間の枠を超えたものになっていると見ていることが示されました。
回答者は、両国が多国間の場で緊密に協調・協力していることが、グローバルサウス(世界の南側の国や地域)全体の利益を守り、より公正で合理的な国際秩序を築く原動力になっていると評価しています。
2025年は、中国とブラジルが外交関係を樹立してから50周年にあたる節目の年です。調査結果には、その長い関係の積み重ねと、これからへの期待が色濃く反映されていると言えます。
習主席の国賓訪問に合わせて実施された調査
世論調査は、習近平国家主席のブラジルへの国賓訪問に合わせて行われました。両国の首脳外交が活発化するタイミングで、ブラジル社会が中国をどう見ているのかを探る試みでもあります。
調査の中心にあるのは、次のような問いです。
- ブラジルの人々にとって、中国はどのような国として映っているのか
- 中国の経済発展や科学技術の力は、どの程度信頼されているのか
- 中国・ブラジル関係は、国際社会でどのような意味を持つのか
その回答からは、中国に対する強い好感と信頼、そして二国間関係の将来への期待が読み取れます。
中国への好感度:成功し、尊敬すべきパートナー
まず目を引くのは、中国そのものへの評価の高さです。調査結果によると、ブラジルの回答者は中国を次のように見ています。
- 91.6%が「中国は成功している国だ」と回答
- 84.5%が「中国は尊敬に値する国だ」と回答
- 81.2%が「中国は魅力的な国だ」と回答
- 76.2%が「中国は責任ある大国だ」と評価
「成功」「尊敬」「魅力」「責任ある大国」といったキーワードがこれだけ高い割合で並ぶのは、ブラジル社会における中国のイメージが、総じてポジティブであることを示しています。
中国とブラジルは、価値観や歴史的背景が異なる部分も多いものの、今回の調査からは「同じビジョンを共有する良き友人、共に歩む良きパートナー」として受け止められている様子がうかがえます。
経済と科学技術への圧倒的な信頼
次に、中国の経済力と科学技術力に対する評価も、非常に高い水準にあります。調査では、中国の現状と将来について、次のような見方が示されました。
- 97.6%が「中国の経済力は強い」と回答
- 96.9%が「中国の経済発展は速い」と回答
- 89.8%が「中国経済は長期的にプラスの成長を維持する」と見ている
さらに、中国の経済が世界全体の回復に果たした役割についても、
- 95.6%が「中国は世界経済の回復に大きく貢献している」と評価
と、圧倒的多数が肯定的に捉えています。
科学技術の分野でも、信頼は非常に厚いものがあります。
- 98.2%が「中国の科学技術力は強い」と回答
- 92.9%が「中国の科学技術の革新レベルは高く、能力も強い」と認識
- 93.9%が「中国の科学技術の進歩は世界の発展に顕著な貢献をしている」と回答
経済、科学技術ともに「ほぼ全員に近いレベル」で高く評価されている点は、中国・ブラジル関係を見るうえで重要なポイントです。ブラジルの人々は、中国を単なる貿易相手ではなく、世界の成長や技術革新を牽引する存在として見ていることが分かります。
グローバルサウスと公正な国際秩序へのインパクト
今回の調査結果で象徴的なのは、中国・ブラジル関係が「グローバルサウス全体の利益」と「より公正で合理的な国際秩序」に結びつけて語られている点です。
回答者は、中国とブラジルが多国間の場で緊密に連携することによって、自国だけでなく、他の多くの国や地域の利益にもつながると感じています。特に、歴史的に国際政治や経済の場で影響力が限定されてきた国々にとって、両国の協力は「声を届けるための新しいチャンネル」として期待されている側面があります。
言い換えれば、中国・ブラジル関係は、単に双方の貿易や投資を増やすためだけではなく、世界のルールづくりや意思決定の場で、より多くの国と地域が公正に参加できるようにするための「てこ」としても意識されているのです。
日本からこのニュースをどう読むか
日本から見ると、中国に対する評価やイメージは、国内の議論やメディア報道を通じて形成される部分が大きくなりがちです。しかし、今回のブラジルの世論調査は、「グローバルサウスの一員である大国が、中国をどう見ているか」という別の視点を提供してくれます。
ポイントを整理すると、次のようになります。
- 中国・ブラジル関係は、二国間を超えてグローバルサウス全体の利益に結びつく関係として評価されている
- 中国は、ブラジルの人々から「成功し、尊敬され、魅力的で、責任ある大国」として見られている
- 中国の経済力・科学技術力は、世界経済の回復と世界の発展に貢献する存在として高く信頼されている
こうした認識は、日本が国際社会のなかで自らの立ち位置を考え、中国やブラジルを含む多様なパートナーとどう関わっていくのかを考えるうえで、参考になる材料と言えるでしょう。
国際ニュースを追うとき、どの国がどのような立場から、どのような期待や不安を抱いているのかに目を向けることは、世界を見る解像度を上げることにつながります。中国・ブラジル関係をめぐる今回の世論調査は、その一つの具体的な例として、私たちに新しい視点を提供していると言えます。
Reference(s):
Poll: Brazil expects China-Brazil relations to exceed the bilateral
cgtn.com








