COP29気候資金交渉が難航 中国の位置づけと「誰がどれだけ払うか」 video poster
2024年の国連気候変動会議COP29では、気候資金をめぐる新たな世界目標づくりが最後まで難航しました。本記事では、なぜCOP29の気候資金交渉が長引いたのか、その背景を整理します。
COP29で議論された新たな気候資金目標
COP29では、これからの気候資金の全体像を定める新たな気候資金目標New Collective Quantified Goalの設定が大きなテーマとなりました。気候資金とは、温室効果ガスの削減や気候変動の影響への適応を支援するために、先進国などから開発途上国へ提供される資金を指します。
国際グリーンファイナンス研究所International Institute of Green Financeで上級研究員を務める王勲Wang Xun氏によると、各国や交渉当事者が特に時間をかけて議論していたのは次の二点でした。
- 新たな気候資金目標の総額をいくらにするのか
- どの国がその資金を拠出するべきなのか
「総額」と「負担する国」がなぜ難しいのか
総額の決定は、単に数字の問題ではありません。どの程度の資金があれば世界全体の脱炭素と適応を後押しできるのかという野心レベルの議論と、各国が実際に負担できる現実性のバランスをどう取るかが問われます。
一方で、どの国がどれだけ負担するかを決める議論は、公平性と歴史的な責任をめぐる問題と直結します。経済力の大きい国はより多く負担すべきだという考え方がある一方、自国の開発課題を抱える国からは慎重な声も上がります。このため、交渉は自然と長期戦になりやすくなります。
中国の役割をめぐる議論
COP29の議論の中では、中国の役割をどう位置づけるかも注目されました。一部の専門家は、中国が先進国と並んで気候資金拠出の先頭に立つべきだと主張しています。
しかし王氏は、中国はすでに自発的な形で一定の貢献を行っていると指摘します。世界資源研究所World Resource Instituteが公表した報告書によれば、2013年から2022年の間に中国から他の開発途上国へ流れた気候資金は約450億ドルに達しました。これは義務ではなく、自主的な支援として行われてきたものです。
パリ協定が定める「誰が払うのか」の原則
王氏が強調するのは、パリ協定と国連の枠組みにおける法的な位置づけです。これらの国際文書では、中国は開発途上国として分類されています。そのうえで、パリ協定は次のような原則を定めています。
- 先進国は、開発途上国に対して気候変動対策のための資金を提供する義務を負う
- それ以外の国による貢献は、自発的なものとして奨励される
つまり、法的な義務は先進国側にあり、中国などその他の国の拠出はあくまで自主的な位置づけになります。この原則をどう解釈し、どこまで拡大していくのかをめぐっても、各国の立場が分かれ、合意形成を難しくしているのです。
これからの気候資金をどう見るか
COP29の交渉を振り返ると、気候資金をめぐる対立は単なる数字の争いではなく、国際秩序や開発のあり方に関わる根源的な問いであることが見えてきます。誰が、どれだけ、どのような条件で負担するのかという問題は、今後も国際交渉の中心テーマであり続けるでしょう。
日本を含む多くの国にとっても、気候資金の枠組みは、自国の気候政策や企業の投資戦略、アジアのエネルギー転換に直接影響します。COP29で浮き彫りになった論点を押さえておくことは、これからの国際ニュースを読み解くうえでも重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








