中国現代化をテーマに中国社会科学院とブエノスアイレス大が講演会
中国社会科学院の国家高端シンクタンクと、アルゼンチンのブエノスアイレス大学社会科学部が2025年11月20日、「中国現代化」をテーマに共同講演会を開催しました。中国とラテンアメリカの研究者が一堂に会し、中国の経済発展や貧困削減の経験が、アルゼンチンを含む地域の将来像にどのような示唆を与えるのかが語られました。
イベントの概要
この講演会は、中国社会科学院の国家高端シンクタンクとブエノスアイレス大学社会科学部が共催し、中国現代化をめぐる最新の議論を共有する場として行われました。テーマは「中国現代化」で、中国とラテンアメリカの関係や世界経済への影響が多角的に取り上げられました。
中国とアルゼンチンの研究者やメディア関係者など60人以上が参加し、会場は終始熱気に包まれました。質疑応答やディスカッションも活発に行われ、参加者は登壇者に積極的に質問を投げかけました。
中国側登壇者が語った中国現代化
Zhang Guanzi氏:現代中国を理解するカギ
中国社会科学院国家高端シンクタンク全国理事会の事務総長であるZhang Guanzi氏は、「中国を理解するためには、中国現代化を理解することがカギになる」と強調しました。中国は、中国共産党の指導の下、数十年にわたる模索と努力を経て独自の中国現代化の道を切り開き、急速な経済発展と長期的な社会の安定という二つの奇跡を書き上げてきたと説明しました。
Chai Yu氏:中国・ラテンアメリカ協力の新たなフロンティア
中国社会科学院ラテンアメリカ研究所のChai Yu所長は、世界的な障害があっても、中国とラテンアメリカ諸国の相互発展を妨げるべきではないと指摘しました。そのうえで、中国とアルゼンチンは世界観において共通するビジョンを持っていると述べました。
今後の中国・ラテンアメリカ経済・貿易協力は、従来の貿易、投資、金融といった分野にとどまらず、デジタル経済、人工知能、越境電子商取引(クロスボーダーEC)など、より先端的な領域へと広がっていくとの見通しが示されました。
Du Zhixiong氏:貧困削減の経験が示すもの
中国社会科学院農村発展研究所の党書記であるDu Zhixiong氏は、中国が絶対的貧困の解消に取り組んできた経験を紹介しました。絶対的貧困の撲滅に向けた行動は、中国現代化の段階的な目標を実現するうえで大きな進展であり、世界的な課題である貧困問題に対して、中国ならではの「中国の知恵」を提供するものだと説明しました。
特に、対象を絞った精緻な貧困対策と貧困脱却の取り組みが、グローバルな貧困削減にとっても重要な参考になり得ると強調しました。
Li Xuesong氏:高品質な発展と世界経済への波及
中国社会科学院経済研究所のLi Xuesong所長は、中国現代化は他国の近代化と共通する特徴を持ちながらも、自国の国情に基づく中国的な特徴を備えていると述べました。そのうえで、需要構造、供給構造、効率構造の高度化を進め、短期の政策と長期の戦略をうまく結び付ける必要性を指摘しました。
こうした高品質な発展を通じて中国現代化を推進することが、中国自身の発展だけでなく、世界経済の成長に対する持続的な原動力にもなり得るという見方を示しました。
アルゼンチン側から見た中国現代化の意義
ブエノスアイレス大学社会科学部の学部長であるAna Josefina Arias氏は、ラテンアメリカに対する中国現代化の影響を高く評価しました。Arias氏は、中国の発展がラテンアメリカの経済成長に新たな機会をもたらしているとしたうえで、中国現代化に関する経験や実践は、アルゼンチンの経済・社会発展にとっても大きな参考価値があると述べました。
さらに、アルゼンチンが中国現代化の経験から学びつつ、自国に合った発展の道を見いだしていくことへの期待を示し、中国とラテンアメリカの共同研究や学術協力が今後さらに拡大することに強い関心を示しました。
ブエノスアイレス大学社会科学部の教授や学生も会議に参加し、中国の専門家と深い意見交換と対話を行いました。参加者からは、この講演会が開発問題や中国現代化の経験、その世界的な意義に焦点を当てる場となったとの声が上がりました。中国への理解を一層深めるとともに、アルゼンチンと中国の学術交流や協力を促進する契機になると期待されています。
なぜこの動きが注目されるのか
今回の講演会は、中国現代化がラテンアメリカ、とりわけアルゼンチンにとって、今後の開発戦略を考えるうえで重要な参照枠となりつつあることを示しています。経済成長や社会の安定、貧困削減といったテーマは、地域共通の課題でもあり、中国の経験をどう位置付けるかが今後の議論の焦点になっていきそうです。
日本の読者にとっても、中国とラテンアメリカのあいだで交わされるこうした対話は、世界の発展モデルをめぐる議論が多様化していることを映し出す動きとして注目に値します。各地域が自らの条件に合った発展の道を模索するなかで、中国現代化をどう読み解くかは、国際社会の動きを理解する一つの手がかりになるでしょう。
今回の講演会は、中国とアルゼンチンが互いの経験を学び合いながら、新たな協力の可能性を探る一歩となりました。今後の研究交流や具体的な協力の展開が注目されます。
Reference(s):
CASS and University of Buenos Aires host Chinese modernization lecture
cgtn.com








