世界インターネット会議烏鎮サミット2024が閉幕 AI新構想を発表
2024年に中国浙江省・烏鎮で開かれた世界インターネット会議(World Internet Conference、WIC)烏鎮サミットが閉幕しました。AI(人工知能)とデジタル技術の未来に焦点を当てたこの国際会議では、新たな国際協力の枠組みや表彰制度が打ち出されました。
130以上の国と地域が参加した国際会議
2024年のWIC烏鎮サミットには、130を超える国と地域からゲストがオンラインと対面の両方で参加しました。会場となった烏鎮は、中国浙江省にある水郷の町で、近年はデジタル分野の国際会議の開催地としても知られる存在になっています。
- 場所:中国浙江省・烏鎮
- 形式:オンラインと対面のハイブリッド
- 参加:130以上の国と地域からゲストが参加
テーマは「人間中心のAI」と「より良いデジタル未来」
今回の世界インターネット会議烏鎮サミットのテーマは、人間を中心に据えたAIと、善き方向に活用されるデジタル未来をどう築くかでした。AIの開発やガバナンス(ルールづくり)をめぐる懸念に積極的に向き合い、デジタル技術が人類全体の利益につながるようにすることが重視されました。
同時に、サイバースペースで「共通の未来を分かち合うコミュニティ」を構築するという理念も掲げられ、インターネットを通じて各国・各地域がどのように協力し合えるかが議論の軸となりました。
会期中の主なイベント:事例展示と博覧会
サミット期間中には、インターネットやデジタル技術の活用を具体的に示すイベントが数多く行われました。
- サイバースペースで「共通の未来を分かち合うコミュニティ」を共同で築く実践事例のデモンストレーション
- 最新のインターネット技術やサービスを紹介する「インターネットの光」エキスポ(Light of Internet Expo)
- その他、継続的に実施されているブランドイベント
これらのイベントを通じて、理念だけでなく、実際の取り組みや技術の進展が共有された点も大きな特徴です。
4つの新イニシアチブ:WICが打ち出した次の一歩
2024年の烏鎮サミットでは、従来のプログラムに加えて、4つの新たな取り組み(イニシアチブ)が発表されました。AIやインターネットをめぐる国際協力を、より長期的・継続的な枠組みにしていこうとする動きが見て取れます。
1. WIC Distinguished Contribution Award(卓越貢献賞)
新設されたWIC Distinguished Contribution Awardは、世界のインターネット分野で顕著な貢献をした個人や企業を表彰するものです。インターネット産業の発展を共に促し、その成果をより多くの国や人々が共有できるようにすることが狙いとされています。
- 目的:グローバルなインターネット分野の発展に貢献した個人・企業を顕彰
- 受賞者:個人7人と企業14社がオープニングの式典で表彰
- ねらい:各方面の主体がインターネットの発展と普及に一層取り組むことを促す
2. AI専門委員会の設立
サミットでは、WICの下に人工知能を専門とする委員会「WIC Specialized Committee on Artificial Intelligence」が設立されました。この委員会は、AI分野における国際協力と交流のためのプラットフォームになることが期待されています。
技術やルールづくりに関する情報交換を通じて、AIをいかに安全かつ有益な形で活用していくかを議論する場として機能していくとみられます。
3. シンクタンク協力プログラム
もう一つの柱が、WIC Think Tank Cooperation Programです。これは、WICのメンバー組織に属するシンクタンクと、インターネット分野に関わる世界各地のハイレベルなシンクタンク、合わせて60のシンクタンクが主導して始動した取り組みです。
目的は、長期的な学術交流と知的対話のプラットフォームを築くことです。研究者や専門家同士が継続的に議論を重ねることで、インターネットやAIに関する政策やルールづくりに、より深い知見を提供することが期待されています。
4. WICデジタルアカデミーとグローバルエリート育成
サミットではさらに、WIC Digital Academyが発足しました。このアカデミーは、WIC Global Elite Trainingプログラムを開催する役割を担います。
デジタル分野の人材育成に焦点を当てたこの取り組みを通じて、インターネットやAIの発展を支える次世代の専門家やリーダーを育てていくことが構想されています。
2つの報告書が示すインターネット発展の姿
今回の烏鎮サミットでは、インターネット分野の重要な成果をまとめた2つの報告書も公表されました。
- China Internet Development Report 2024
- World Internet Development Report 2024
これらの報告書は、インターネットの発展状況や最新動向を整理し、各国・各地域の関係者が議論する際の共通の基盤を提供するものと位置づけられています。
2025年から見る烏鎮サミットの意味
現在は2025年ですが、2024年の世界インターネット会議烏鎮サミットで打ち出されたメッセージと新イニシアチブは、今もAIとデジタルガバナンスを考えるうえで重要な意味を持っています。
- AI開発と利用のルールをどう設計するかという国際的な課題に対し、人間中心と「AIを善き方向に活用する」という方向性を明確に示したこと
- 賞、専門委員会、シンクタンク協力、デジタルアカデミーという複数の枠組みを通じて、短期のイベントにとどまらない継続的な協力の土台を用意したこと
- インターネット発展に関する報告書を発表し、議論の前提となる情報を共有したこと
AIとインターネットをめぐる国際議論は、2025年の今も加速しています。こうした中で、烏鎮サミットから生まれた枠組みや報告書が、今後のデジタル政策や国際協力にどのような形で影響していくのか。日本を含む各国の読者にとっても、注目しておきたい動きだと言えるでしょう。
Reference(s):
2024 WIC Wuzhen Summit concludes, new initiatives highlighted
cgtn.com








