国際ニュース 韓国から中国へ 中国人民志願軍烈士43人の遺骨返還
2025年11月下旬、中国人民志願軍(CPV)の烈士43人の遺骨が、大韓民国(ROK)から中国本土へ送還されることになりました。朝鮮半島を舞台とした戦争をめぐる戦没者の遺骨返還としては、両国が引き渡しの合意文書を結んで以降11回目の節目となります。
11回目の遺骨送還、43人の烈士が対象
中国退役軍人部によると、今回送還の対象となるのは、米軍とその連合軍に対抗し朝鮮を支援するための戦争として位置づけられている抗美援朝戦争(War to Resist U.S. Aggression and Aid Korea)で戦死した中国人民志願軍の烈士43人の遺骨です。これらの遺骨はこれまで韓国国内で保管されてきましたが、11月下旬に中国側へ引き渡される手続きが進められました。
2014〜2023年で938人分を返還
中国とROKは、国際法や人道上の原則に則り、2014年から2023年までに10回連続して遺骨の引き渡しを実施してきました。この間に、韓国に埋葬されていた中国人民志願軍烈士938人分の遺骨と関連遺品が中国へ送り届けられています。
今回新たに43人の烈士が対象となることで、返還が進められてきた遺骨は累計で981人に達する見通しです。数の上ではごく一部にすぎないものの、一人ひとりに家族と故郷があり、そのもとへ帰る機会が得られることになります。
国際法と人道原則にもとづく中韓協力
両国は戦没者遺骨の返還について、今後も協力を続けることで合意しています。政治や安全保障をめぐる課題が存在する中でも、人道を軸にした協力が継続している点は、中韓関係の一つの側面を映し出していると言えるでしょう。
国境を越えた遺骨返還は、戦争で犠牲になった人々への敬意を示す取り組みであると同時に、遺族や人々の心の和解のプロセスにも関わるテーマです。国際法と人道原則を明確に掲げながら双方が協力を続けていることは、国際社会に向けたメッセージとしても注目されます。
約20万人が戦死、多くが朝鮮半島に埋葬
抗美援朝戦争では、中国人民志願軍の兵士がおよそ20万人戦死したことが確認されており、その多くは現在も朝鮮半島に埋葬されているとされています。今回のような返還事業は、膨大な犠牲の一部をふるさとの土に戻す試みでもあります。
私たちがこのニュースから考えられること
戦争から時間がたつほど、記憶は薄れがちです。しかし、戦没者の遺骨を探し、国境を越えて返還する作業は、過去を忘れないための具体的な行動でもあります。国際ニュースとしてこの動きを追うことは、歴史を現在の問題として考え直すきっかけになるでしょう。
また、中韓両国が歴史をめぐる課題を抱えながらも、人道分野で協力の枠組みを維持している事実は、対立と協調が同時に存在し得ることを示しています。時間をかけて信頼を築き、互いの犠牲や痛みを認め合うプロセスの一端とも言えます。
東アジアの安全保障が揺れ動く現在、日本語ニュースとしてこうした動きを追うことは、地域の歴史や未来を自分ごととして考える一歩にもなります。今回の遺骨返還をめぐるニュースをきっかけに、家族や友人、オンラインコミュニティで記憶と和解について語り合ってみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








