中国の発電設備容量が14.5%増 再生可能エネルギー投資が加速
中国の国家エネルギー局のデータで、2024年10月末時点の総発電設備容量が前年同月比14.5%増の31.9億キロワット(3.19テラワット相当)に達していたことが明らかになりました。再生可能エネルギーへの集中的な投資が、この伸びを大きく支えています。
発電設備容量が示す中国エネルギーの現在地
国家エネルギー局によると、中国の総発電設備容量は2024年10月末の時点で31.9億キロワットに到達し、前年から14.5%増加しました。数字だけを見ると抽象的ですが、世界有数のエネルギー消費国が短期間でこれだけ設備を積み増しているという事実は、国際エネルギー市場にとっても無視できない動きです。
- 総発電設備容量: 31.9億キロワット、前年比14.5%増
- 太陽光発電設備容量: 約7.9億キロワット、前年比48%増
- 風力発電設備容量: 約4.9億キロワット、前年比20.3%増
太陽光と風力を合わせた設備容量は、総発電設備のかなり大きな割合を占める規模に達しており、電源構成の中で再生可能エネルギーの存在感が一段と高まっていることが分かります。
太陽光と風力がけん引する再生可能エネルギー拡大
特に目を引くのが、太陽光発電設備の伸びです。2024年10月末時点で約7.9億キロワットと、前年から48%増加しました。風力発電も約4.9億キロワットと20.3%増えており、二桁成長を維持しています。
再生可能エネルギー全体の拡大ペースも加速しています。2024年前三四半期だけで、新たに導入された再生可能エネルギーの発電設備容量は2億キロワット超に達しました。これは、同期間に新設された全発電設備容量の8割以上を再生可能エネルギーが占めたことを意味します。
新規設備の多くが再生可能エネルギーであるという構図は、電力需要の増加を主にクリーンエネルギーで賄おうとする方向性が一段と明確になっていると読むことができます。
発電と送電の両輪に広がる投資
設備容量の急拡大を支えているのが、発電と送電の両面での巨額投資です。国家エネルギー局のデータによると、2024年1月から10月までに主要な電力企業が電源開発に投じた額は7181億元(約990億ドル)で、前年同期比8.3%の増加となりました。
一方、送電網など電力インフラへの投資も大きく増えています。同じ期間における電力網プロジェクトへの投資額は4502億元に達し、前年同期比で20.7%増加しました。
- 電源開発プロジェクト投資(2024年1〜10月): 7181億元、前年比8.3%増
- 電力網プロジェクト投資(同期間): 4502億元、前年比20.7%増
再生可能エネルギーは、発電量が天候などに左右されやすく、地域ごとの偏在も大きいのが特徴です。そのため、発電設備の拡大と並行して、電力を安定的に送るための送電網や調整力の強化が欠かせません。発電と送電の両輪に投資が拡大していることは、この課題に対応しようとする動きと見ることができます。
体系的な脱炭素政策と目標の前倒し達成
中国は、世界でも最も体系的で包括的な二酸化炭素排出削減の政策枠組みを構築しているとされており、エネルギー転換の分野で一定の成果を上げています。風力と太陽光の総設備容量については、国際社会に対して表明していた目標を、予定より6年以上早く達成したとされています。
長期目標を大幅に前倒しで達成したことは、再生可能エネルギー分野への継続的な投資と政策一貫性があってこそ可能になった結果とも言えます。今後、どのように電力システム全体の安定性を確保しつつ、さらに再生可能エネルギーの比率を高めていくのかが、次の焦点となりそうです。
日本と世界が読み取るべきポイント
今回のデータは、2024年の動向を切り取ったものですが、2025年以降のエネルギー戦略を考えるうえでもいくつかの示唆を与えています。
- 短期間で大規模な再生可能エネルギー設備を導入するための投資規模とスピード感
- 発電設備だけでなく、送電網などインフラへの投資を同時に進めるという発想
- 長期目標を前倒しで達成するための政策枠組みと、その実行力
エネルギー転換は、どの国や地域にとっても簡単な課題ではありません。だからこそ、中国のように大規模な電力システムを持つ国がどのようなペースと構成で再生可能エネルギーを増やしているのかを丁寧に読み解くことは、日本を含む各国の議論を深めるうえでも参考になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com







