肺がん早期発見が命を救う 中国専門家が国際啓発月間で訴え video poster
肺がんは「見つけるタイミング」が生死を分ける
肺がんの早期発見と早期治療がどれほど重要なのか――。中国のがん基金会(Cancer Foundation of China、CFC)の会合で、専門医があらためて強く訴えました。今年の国際肺がん啓発月間のテーマも、まさに早期スクリーニングと標準的な診断・治療に焦点を当てています。
CFC設立40周年の場で語られた「早期発見」の重み
先日開かれたがん基金会(CFC)の設立40周年を祝う会合の場で、CFC副事務総長の支修益医師は、肺がん治療における早期発見の重要性を強調しました。
支医師によると、肺がんは今も依然としてがん関連死亡の主要な原因の一つであり、診断がつく時にはすでに8割以上の症例が中期から後期に進行していると推計されます。その結果、根治をめざすうえで最も望ましい治療のタイミングを逃してしまうケースが少なくないと指摘しました。
支医師は、「肺がんをどれだけ早く見つけ、どれだけ早く治療を始められるかが、命を救えるかどうかを大きく左右する」と述べ、検査や受診の遅れをできるだけ減らす必要性を訴えました。
国際肺がん啓発月間の今年のテーマ
支医師が出席した会合は、国際肺がん啓発月間の期間中に開催されました。今年のテーマは、次の2点に焦点を当てています。
- 肺がんの早期スクリーニング(検診)を強調すること
- 結節(しこり)の診断と治療の標準化を進めること
早期スクリーニングの徹底
「スクリーニング」とは、症状が出る前の段階から検査を行い、病気の疑いがある人を早期に見つける取り組みです。支医師が強調するように、肺がんの多くが中期・後期で見つかっている現状を変えるには、日常的な検診や定期的なチェックを通じて、より早い段階で異変を捉える体制づくりが欠かせません。
結節診断・治療の「標準化」がなぜ重要か
今年のテーマには、「結節の診断と治療の標準化」という少し専門的なキーワードも含まれています。結節とは、肺などに見つかる小さなしこりの総称です。
結節の扱い方が医療機関ごとに大きく異なると、同じ画像所見でも「経過観察でよい」と判断される場合と「すぐに詳しい検査や治療が必要」と判断される場合が生じます。標準化とは、その判断基準や治療方針をできるかぎり統一し、患者がどこで診察を受けても質の高い医療を受けられるようにする取り組みといえます。
AIとリキッドバイオプシーがもたらす新しい希望
支医師は、早期発見への希望として、人工知能(AI)とリキッドバイオプシーという新しい技術の進展にも言及しました。
人工知能(AI)が支える画像診断
AIは、胸部の画像をコンピューターで解析し、人間の目だけでは見落としやすい小さな結節やわずかな変化を見つける支援に活用されています。これにより、より早い段階で異常のサインを拾い上げることが期待されています。
医師の判断をAIが置き換えるのではなく、医師の経験とAIの計算能力を組み合わせることで、診断の精度を高める方向性が示されていると言えます。
リキッドバイオプシーという新しい選択肢
リキッドバイオプシーは、血液などの体液を用いて、がんに関連する情報を調べる新しい検査技術として注目されています。従来のように組織を採取する検査に比べ、身体への負担を抑えながら、がんの早期発見や治療効果の把握につなげられる可能性があります。
支医師は、こうした技術革新が肺がんの早期診断を後押しし、多くの命を救う希望になりつつあると強調しました。
国境を越えて共有したいメッセージ
がん基金会(CFC)の会合で語られた内容は、中国の話にとどまらず、肺がんと向き合う世界中の人々に共通するメッセージでもあります。
- 肺がんは、見つかるタイミングによってその後の選択肢が大きく変わること
- 早期発見のためには、検診や受診の「一歩目」を先送りしないこと
- AIやリキッドバイオプシーなど新しい技術が、早期診断の可能性を広げつつあること
読者一人ひとりにとっては、まず自分の健康状態や家族歴を振り返り、利用できる検診制度や検査について、かかりつけ医など身近な医療者に相談してみることが出発点になります。
国際肺がん啓発月間のテーマが示す通り、「早く気づき、早く動く」ことが、肺がんから命を守るための最もシンプルで、しかし最も重要なメッセージと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








