中国・陝西省で希少な北中国ヒョウ3頭確認 生態系回復のサインか video poster
中国北西部・陝西省の周至国家級自然保護区で、希少な北中国ヒョウ3頭が赤外線カメラに相次いで写っていたことが分かりました。中国固有のヒョウの亜種である北中国ヒョウの姿は、地域の生態系が回復しつつあるサインとして注目されています。
母ヒョウと若い2頭、10日間で2度確認
保護区のスタッフが最近、森に設置した赤外線カメラのデータを回収・解析したところ、5月16日に北中国ヒョウ3頭が並んで歩く姿が撮影されているのを見つけました。その10日後にも、同じ個体とみられる3頭が再び写っていたということです。
映像では、成獣のメス1頭と、やや小柄な2頭の若い個体(亜成獣)が行動を共にしている様子が確認されました。調査によると、この周至国家級自然保護区内には現在、およそ10頭の北中国ヒョウが生息しているとされています。
中国固有の亜種「北中国ヒョウ」とは
今回確認された北中国ヒョウは、中国にのみ分布するヒョウの一種で、アムールヒョウの亜種にあたります。中国固有の亜種であることから、その生息状況は国内外の研究者や保護団体からも関心を集めてきました。
成体では体長がおよそ2メートル、体重は70キログラム前後に達する大型のネコ科動物(ビッグキャット)です。中国では国家一級保護動物に指定されており、その存在自体が非常に貴重だとされています。
生息確認が示す「森の健康状態」
保護区によると、北中国ヒョウのような大型肉食動物が暮らしていることは、周辺の森林に健全な生態系が保たれていることを示します。ヒョウが十分な獲物を見つけて生きていけるということは、草食動物や植物を含む食物連鎖全体が機能している証拠といえます。
現在、北中国ヒョウの痕跡は、中国北部および北西部の山地森林で確認されています。今回のように、複数の個体が同じ地域で繰り返し撮影されることは、その地域が繁殖や子育てに適した環境になりつつある可能性も示唆します。
赤外線カメラが支える見えない保護活動
周至国家級自然保護区では、森の各地に設置された赤外線カメラが、夜間や人間の立ち入りが難しい場所を静かに見守っています。今回の発見も、スタッフが定期的にデータを回収し、映像を丁寧に確認したことで明らかになりました。
このような自動撮影によるモニタリングは、人の目ではとらえにくい希少種の行動を長期間にわたって記録できるのが特徴です。映像データを蓄積・分析することで、生息頭数の変化や活動範囲、繁殖の兆しなどを少しずつ読み解くことができます。
野生動物保護のこれからを考える
一般に、北中国ヒョウのような大型動物を守るには、保護区の中だけでなく、周辺の森や山地を含めた広い範囲での生息地保全が欠かせないとされています。野生動物の移動ルートを確保し、人間の活動との摩擦をどう減らすかは、多くの地域で共通する課題です。
今回のニュースは、中国北西部の生物多様性がまだ息づいていることを示す朗報であると同時に、自然と人間社会の関係をどうデザインしていくかという問いを改めて投げかけています。
遠くの森から届くメッセージ
スマートフォンの小さな画面で読むと、北中国ヒョウの話題は一見、遠い国の自然ニュースに思えるかもしれません。しかし「どのように自然と共存していくのか」という問いは、日本を含む多くの国と地域に共通しています。
周至国家級自然保護区の森を歩くヒョウの静かな足音は、生物多様性を守ることの意味について、私たちの日常の会話や SNS 上の議論にそっと問いを投げかけているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







