雲南アゼーク村のマッシュルーム小屋と世界遺産棚田を歩く
中国南西部・雲南省の山あいで、棚田に囲まれたマッシュルーム型の伝統家屋が注目を集めています。世界遺産にも登録された紅河ハニ棚田の一角にあるアゼーク村では、60棟以上の家々が独特の景観を形づくっています。
雲南省・元陽県の棚田に浮かぶマッシュルーム小屋
雲南省紅河ハニ族イ族自治州の元陽県にあるアゼーク村には、茅葺き屋根とれんが造りの壁を持つ住居が60棟以上並び、周囲を階段状に連なる水田が取り囲んでいます。まるで山の斜面にマッシュルームが点々と生えているように見えることから、マッシュルーム小屋とも呼ばれています。
- 場所 中国南西部・雲南省紅河ハニ族イ族自治州元陽県
- 建物 茅葺き屋根とれんがの壁を持つマッシュルーム小屋が60棟以上
- 景観 小屋の周囲を、山の斜面に沿って段々に続く水田が取り囲む
スマートフォンの画面越しでも、棚田の曲線と素朴な家々が織りなすコントラストは強い印象を残します。都市の高層ビルとは正反対の、人と土地が密接につながる暮らしがそこにあることがうかがえます。
アゼーク村とは 竹が生い茂る場所という意味
専門家によると、アゼーク村はハニ族の伝統的な建築が最もよく残る集落の一つとされています。村の名前アゼークは、ハニ語で竹林が生い茂る場所を意味します。名前の由来からも、村と自然との近さを想像することができます。
茅葺き屋根とれんがの壁というシンプルな構造は、雨の多い山間部の気候や、周囲の自然素材を生かした暮らしと結びついていると考えられます。こうした民族建築がまとまって残る例は多くはなく、アゼーク村は文化遺産としての価値も高いと言えそうです。
世界遺産 紅河ハニ棚田の一部として
アゼーク村の周囲に広がる元陽県の棚田は、紅河ハニ棚田の一部として、2013年に国連教育科学文化機関ユネスコの世界遺産に登録されました。2025年の今、その登録からは約12年が経過しています。
何世代にもわたって形づくられてきた棚田と、マッシュルーム小屋と呼ばれる伝統家屋が一体となった景観は、農業の営みと生活文化が切り離せないものであることを思い出させます。世界遺産として登録されることで、その価値を国際的に共有し、守っていこうとする動きが強まりました。
私たちがこの景観から読み取れるもの
働き方も暮らし方も多様化する中で、山の斜面に広がる棚田と小さな村の姿は、効率だけでは測れない豊かさについて考えさせてくれます。
アゼーク村のような場所をニュースや写真で目にするとき、次のような視点を持つことで、単なる観光地としてではなく、地域社会として立体的に捉えることができます。
- そこに暮らす人びとの生活リズムや季節の感覚
- 世界遺産登録によってもたらされる変化と期待
- 棚田という農業景観が、気候変動や環境保全とどう結びついているか
日々のニュースの中で、中国南西部の小さな村の話題は一瞬で流れてしまうかもしれません。しかし、マッシュルーム小屋と棚田が並ぶアゼーク村の風景は、これからの10年、20年をどのように生きていくのかという問いを、静かに投げかけているようにも見えます。
Reference(s):
Next Stop: 'Mushroom cottages' surrounded by cascading rice terraces
cgtn.com







