中国本土が食料ロス削減行動計画 2027年までに国際平均以下を目指す
中国本土が食料ロスと食品廃棄の削減に向けた新たな行動計画を公表し、2027年末までに長期的な仕組みを整える方針を示しました。国際平均を下回る水準まで損失率を抑え、2030年の国連目標である「世界の食料廃棄半減」に貢献することを視野に入れています。
行動計画の概要 2027年末までに長期メカニズムを構築
今回の行動計画は、中国共産党中央委員会弁公庁と国務院弁公庁が共同で発表したものです。食料ロスや食品廃棄に関する制度や基準を見直し、2027年末までにより「抜けのない」長期的な対策メカニズムを築くことを目標に掲げています。
計画では、穀物や食品が生産されてから消費者に届くまでの各段階で生じる損失率を、2027年末までに「国際的な平均水準を下回る」レベルに抑えることが重要な指標とされています。
どこで減らすのか 生産から食卓までの重点ポイント
行動計画が対象とするのは、サプライチェーン全体にわたる食料ロスです。具体的には次のような段階が挙げられています。
- 生産:収穫や選別の段階で発生する穀物の損失を低減
- 保管:倉庫・貯蔵設備での劣化や虫害などによる損失を抑制
- 輸送:長距離輸送や積み替え時に起こる破損・劣化を減らす
- 加工:加工工程で廃棄される原料や食品の割合を削減
さらに、外食産業や各種食堂での「食べ残し」削減も大きな柱です。計画は、次の場面での一人当たりの食品廃棄量を大幅に減らすことをめざしています。
- レストランなどの飲食店
- 政府機関の食堂
- 学校の食堂
- 企業の社員食堂
こうした場面でのムダを抑え、食べ残しそのものを「抑制」することが目標として明記されています。
行動計画の柱 意識改革と業界対策、データ整備
行動計画は、食料ロス削減のための「やるべきこと」をいくつかの柱に整理しています。
- 食を大切にする意識の向上:全国レベルで「食べ物を大事にする」文化や意識を広めるキャンペーンを展開
- 外食産業での反フードロス行動:メニュー設計や提供量の工夫、食べ残しを減らす取り組みを推進
- 政府機関食堂での模範的な取り組み:公的部門が先行して無駄を減らし、社会全体のモデルとなることを目指す
- 統計・データの強化:食料ロスや食品廃棄に関する統計を整え、実態を把握しながら対策を改善していく
単に「節約を呼びかける」にとどまらず、制度やデータにも踏み込んでいる点が、この行動計画の特徴といえます。
2030年の国連目標と世界の現状
今回の行動計画は、2030年までに世界の食料廃棄を半減させるという国連の目標の達成にもつなげる狙いがあります。これは持続可能な開発目標(SDGs)の一つとして掲げられている重要な目標です。
国連環境計画(UNEP)のフード・ウェイスト・インデックス・レポート2024によると、世界では2022年に10億5000万トンの食料が廃棄されました。これは、消費者に提供される食料の19%に相当し、小売り、外食サービス、家庭での廃棄が含まれます。
さらに、国連食糧農業機関(FAO)は、収穫後から小売段階までのサプライチェーンでも、追加で13%の食料が失われていると推計しています。つまり、畑から食卓に届くまでのどこかで、かなりの量の食料が世界中で姿を消していることになります。
なぜ食料ロス削減が重要なのか
食料ロスや食品廃棄を減らすことには、いくつもの意味があります。
- 食料安全保障の強化:限られた農地と水資源で生産された食料を、できるだけ無駄なく活用できる
- 環境負荷の軽減:生産・輸送に使われたエネルギーや資源のムダを抑え、温室効果ガスの排出削減にもつながるとされる
- 経済的な損失の縮小:生産者、流通業者、飲食店、消費者それぞれのコスト負担を減らす効果が期待できる
今回の中国本土の行動計画は、こうした課題に対して、サプライチェーン全体と消費場面の両方からアプローチしようとする試みだと見ることができます。
日本とアジアへの示唆
食料ロス削減は、多くの国や地域が共通して直面している課題です。中国本土が、国家レベルの行動計画としてサプライチェーン全体と外食・食堂まで含めた対策を打ち出したことは、アジアの他の国々や日本にとっても参考になる点が少なくありません。
特に、政府機関や学校、企業の食堂を「ムダを減らす先導役」と位置づけている点や、統計の整備を重視している点は、政策づくりのヒントになり得ます。日常の食卓レベルでも、注文や買い物の量を見直し、食べきれる分だけを選ぶなど、一人ひとりができる工夫があります。
2030年まであと数年となる中で、今回の行動計画がどこまで実行され、世界全体の食料ロス削減にどのような影響を与えるのか。今後の進展を追っていく価値のある国際ニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








