国際ニュース:ミャオ文化で観光を育てる湖南省・十八洞村
2024年、国連世界観光機関(UNWTO)の「Best Tourism Villages」に、中国湖南省の山あいにある十八洞村(Shibadong Village)が選ばれました。ミャオ族の文化が、地域の観光と暮らしにどのような変化をもたらしているのかを見ていきます。
湖南省・十八洞村とはどんな場所か
十八洞村は、中国内陸部の湖南省に位置し、およそ400年の歴史を持つ山村です。行政区分としては、トゥチャ族とミャオ族が多く暮らす湘西トゥチャ族ミャオ族自治州に属し、村の住民の多くはミャオ族です。
村は、武陵山地区トゥチャ族とミャオ族の文化・生態保護区の重要な一部とされており、伝統的な暮らしや自然環境を守りながら地域づくりが進められています。
国連が評価した「観光と文化の両立」
国連世界観光機関は、2024年の選定で十八洞村を「Best Tourism Villages」の一つとして表彰しました。この取り組みは、観光と地域の暮らしを結びつけている世界各地の村を紹介するものです。
十八洞村にとって、この国際的な評価は、地域の名前とミャオ族の文化を幅広く発信するきっかけになりました。2024年の選定から1年余りが経った現在も、村は独自の文化と自然を生かした観光地として注目されています。
ミャオ族の文化が観光の主役に
十八洞村の観光の特徴は、特別なテーマパークではなく、ミャオ族の暮らしや文化そのものが「見どころ」になっている点です。伝統的な住まいや生活の知恵、歌や物語など、日常に根ざした文化が、訪れる人にとって新鮮な体験となります。
観光客にとっては、単に風景を眺めるだけでなく、地域の人と交流し、文化の背景を知ることができる場となります。一方、地域にとっては、ミャオ族の文化を次の世代につなぐきっかけとなり、伝統を守る動機付けにもなります。
文化・生態保護区が果たす役割
十八洞村が位置する武陵山地区トゥチャ族とミャオ族の文化・生態保護区は、名前の通り「文化」と「自然」の両方を守ることを目的としたエリアです。この枠組みの中で観光が進むことで、次のような点が重視されやすくなります。
- 自然環境への負荷をおさえた観光ルートや施設づくり
- 地域の文化や習慣を尊重した観光マナーの啓発
- 観光収入が地域住民にも還元される仕組みづくり
観光客が増えることで、文化が「消費」されてしまう危険性もありますが、保護区という枠組みは、そのバランスをとるための一つの仕組みといえます。
日本やアジアの地域づくりへのヒント
十八洞村のように、地域固有の文化を前面に出しながら観光を育てていく試みは、日本やアジアの農山村にとっても参考になります。人口減少や高齢化に直面する地域ほど、「その土地にしかない物語」をどう見つけ、どう伝えるかが鍵になります。
国際ニュースとして見れば、2024年の「Best Tourism Villages」に選ばれた湖南省・十八洞村は、観光をきっかけに地域のアイデンティティを再確認し、文化を守りながら外の世界とつながろうとする動きの一例です。観光を「数」だけでなく、「どんな体験を共有する場にするか」という視点から考えることが、これからますます重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








