中国の新型ロケット「長征12号」、海南の商業宇宙港から近く初打ち上げへ
中国の新型ロケット「長征12号」、海南の商業発射場で打ち上げ準備
中国の新型ロケット「長征12号」(長征12 Y1 キャリアロケット)が、南部の海南省にある商業宇宙発射場の打ち上げエリアへ移送されました。運営する海南国際商業宇宙発射有限公司によると、ロケットは「近く適切なタイミング」で打ち上げられる予定で、商業宇宙開発に向けた新たな一歩として注目されています。
- 長征12号 Y1 機が打ち上げエリアへ移送
- 今後、適切なタイミングで初打ち上げ予定
- 海南の商業発射場は中国で初の商業ミッション専用基地
火曜日に打ち上げエリアへ移送、打ち上げ時期は「近く」
海南国際商業宇宙発射有限公司は、長征12号 Y1 ロケットが火曜日に同社の商業宇宙発射場内の打ち上げエリアへと運ばれたと明らかにしました。これにより、地上での最終チェックや燃料関連の準備など、本格的な打ち上げ前段階に入ったとみられます。
同社は、打ち上げについて「近く適切なタイミング」で実施するとしており、具体的な日時は公表していません。2025年12月現在、発表されているのはこの「近く打ち上げ」という方針のみで、ミッションの詳細や搭載物についても明らかにされていません。
長征12号とはどんなロケットか
今回準備が進む長征12号は、中国で初めての仕様となる単一コア段の液体ロケットです。直径は3.8メートルで、2段式の構成を採用し、推進には液体酸素とケロシン(灯油系燃料)を使うエンジンが用いられています。
- 単一コア段構成の液体燃料ロケット
- 機体直径は3.8メートル
- 2段式構成で打ち上げ能力を確保
- 6基の液体酸素・ケロシンエンジンを搭載
液体酸素とケロシンを組み合わせたエンジンは、世界の多くのロケットで採用されている方式です。高い推力と比較的扱いやすい燃料特性から、商業打ち上げにもなじみやすいとされます。長征12号は、こうしたエンジンを6基搭載することで、高頻度かつ安定した商業打ち上げへの活用が期待されます。
海南の商業宇宙発射場、中国初の商業ミッション専用サイト
長征12号が打ち上げられる海南の商業宇宙発射場は、2022年7月に建設が始まりました。現在は、中国で初めての「商業ミッション専用」の発射場として位置づけられています。
「商業ミッション専用」というのは、国家プロジェクト中心の従来型発射場とは異なり、企業や研究機関などの商業利用を前提に設計・運営される施設であるということを意味します。これにより、以下のような点で柔軟なサービスが提供される可能性があります。
- 民間企業向けの打ち上げ枠の確保
- 衛星コンステレーション(多数の衛星を組み合わせたネットワーク)の打ち上げ需要への対応
- 価格や打ち上げ時期を含む、より多様な商業プランの提供
建設開始から数年で、すでに新型ロケットの打ち上げ準備が進む段階まで来ていることは、中国の商業宇宙分野の立ち上がりの速さを象徴しているともいえます。
商業宇宙競争の中で見える意味
長征12号のような新型ロケットと、海南のような商業専用発射場の組み合わせは、商業宇宙市場での存在感を高めようとする動きの一環と見ることができます。世界では小型衛星や通信衛星の打ち上げ需要が増えており、打ち上げ能力の確保は各国・各地域にとって重要なテーマになりつつあります。
今回の動きは、次のような点で注目されます。
- 新型ロケットの投入による打ち上げラインナップの拡充
- 商業専用発射場の運用本格化による打ち上げ機会の増加
- 企業や研究機関にとっての選択肢の広がり
もちろん、長征12号の性能や信頼性がどの程度実証されるかは、今後の打ち上げ結果を見ていく必要があります。ただ、ロケット本体と発射場の両輪をそろえたことで、中国の商業宇宙分野が次の段階に入ろうとしていることは確かだと受け止められます。
これから何に注目すべきか
今後のポイントとしては、まず長征12号 Y1 の初打ち上げが予定どおり実施されるかどうか、そしてそのミッションの内容と結果がどうなるかが挙げられます。また、海南の商業宇宙発射場が今後どの程度の打ち上げ頻度を実現し、どのような事業者が利用していくのかも注目点です。
日本を含むアジアや世界の宇宙ビジネスに関心のある読者にとって、長征12号と海南商業発射場の動きは、今後の国際的な宇宙産業の勢力図を考えるうえで、押さえておきたいニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








