中国首相とサモア首相が北京で会談 気候変動と経済協力を協議
今週、北京で中国の李強首相とサモアのフィアメ・ナオミ・マタアファ首相が会談し、約半世紀にわたる外交関係を基盤に、経済協力や気候変動対策を中心とした連携強化を確認しました。来年予定される外交関係樹立50周年を見据え、中国とサモアがどのようなパートナーシップを描こうとしているのかが浮き彫りになっています。
北京で中国・サモア首脳会談 何が話し合われたのか
会談は北京で火曜日に行われ、中国の李強首相と独立国サモアのフィアメ・ナオミ・マタアファ首相が向き合いました。両国は外交関係を結んでからほぼ50年が経ち、その間、経済・貿易やさまざまな分野で協力を積み重ねてきたとされています。
李首相は、こうした協力が両国の人びとに具体的な利益をもたらしてきたと評価したうえで、今後も関係を安定的に発展させていく考えを示しました。
包括的戦略パートナーシップの深化
中国側は、両国がすでに築いている中国・サモア包括的戦略パートナーシップの中身をさらに豊かにしていく方針を強調しました。具体的には、次のような方向性が示されています。
- 政治的な相互信頼をさらに深める
- お互いの核心的利益を揺るぎなく支持し合う
- 互恵的な協力を強化し、協力分野を広げる
ここでいう核心的利益とは、それぞれの国にとって最も重要な主権や安全、発展に関わる問題を指すとされています。中国はそうした重要分野でのサモアの立場を尊重し、自国の立場についても支持を求める姿勢をにじませました。
経済・貿易と分野別協力の拡大
今回の会談では、実務的な協力の強化も大きなテーマとなりました。李首相は、両国の開発戦略をすり合わせ、経済・貿易関係を広げていく考えを示しました。
中国側が挙げた主な協力分野は次の通りです。
- 貿易と投資の円滑化
- 農業分野での協力
- 漁業分野での協力
- クリーンエネルギー分野での協力
- 防災・減災分野での協力
これらの分野は、サモアの経済や生活基盤に直結するテーマでもあります。中国との協力を通じて、インフラ整備やエネルギー転換、災害への備えなどを強化していく狙いがにじみます。
グローバル・サウスとしての連携強化
李首相はまた、中国とサモアがいずれもグローバル・サウスの一員であることに言及しました。グローバル・サウスとは、主に新興国や開発途上国を指す言葉として使われています。
中国は、そうした国々の一員としてサモアと協力し、次のような課題に取り組んでいく姿勢を示しました。
- 国際機関や多国間の場での意思疎通と調整を強める
- 気候変動という共通の課題に共に向き合う
- より平等で秩序だった多極的な世界の構築をめざす
- すべての国に利益をもたらす経済のグローバル化を促す
- 開発途上国の共通の利益を守る
気候変動や世界経済のルールづくりなど、グローバルな議題が複雑さを増す中で、途上国同士の連携を強めようとする中国の姿勢がうかがえます。
サモア側のメッセージ 来年の50周年と太平洋の長期戦略
これに対し、マタアファ首相は、サモアが一つの中国の原則を順守し、中国の立場を断固として支持していると明言しました。そのうえで、来年に予定される外交関係樹立50周年をきっかけに、中国との関係をさらに高いレベルへ引き上げたいという考えを示しました。
サモア側が重視しているポイントとして、次のような点が挙げられました。
- 来年の50周年を機に、首脳を含む高官レベルの交流を強化する
- 互いに利益のある協力をさらに深める
- 人と人との交流や、地方レベルを含む地域間交流を広げる
また、マタアファ首相は、サモアがブルー・パシフィック大陸の2050年戦略への中国の継続的な支援を期待していると述べました。この長期戦略をめぐって、中国とサモアは、気候変動やその他の地球規模の課題に共同で取り組むための意思疎通と調整を強めたいとしています。
気候変動と太平洋 見えてくる三つのポイント
今回の中国とサモアの会談からは、国際ニュースとして次のようなポイントが見えてきます。
- 約50年にわたる二国間関係を土台として、包括的戦略パートナーシップをさらに深めようとしていること
- 農業や漁業、クリーンエネルギー、防災など、生活に直結する分野での実務協力が重視されていること
- 気候変動やグローバル・サウスの利益といったテーマを軸に、多国間の場での連携強化が打ち出されていること
特に、太平洋を取り巻く国際環境では、気候変動への適応や災害リスクの軽減が喫緊の課題となっています。今回の会談では、防災・減災やクリーンエネルギーといった分野が前面に出ており、太平洋地域の将来像をどう描いていくかという問いにもつながっています。
また、サモアが人と人との交流や地方レベルの関係強化を重視している点からは、単に国家間の協力だけでなく、教育、文化、地域社会どうしのつながりを通じて関係を深めていきたいという視点も読み取れます。
読者が押さえておきたい視点
通勤時間やスキマ時間に今回のニュースをチェックする読者にとって、ポイントを整理すると次のようになります。
- 中国とサモアは、来年の外交関係樹立50周年を前に、政治・経済・気候変動など幅広い分野での協力を再確認した
- 両国はグローバル・サウスとして、多国間の枠組みでの連携や開発途上国の利益の擁護を強調している
- 気候変動や防災、クリーンエネルギーへの取り組みが、中国と太平洋地域を結びつける重要なテーマになりつつある
太平洋地域の動きは、気候変動やエネルギー、国際秩序の行方など、日本から見ると一見遠いテーマを考える手がかりにもなります。今回の中国とサモアの会談は、そうした大きな流れの一端として捉えておくと、今後の国際ニュースを読み解きやすくなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








