国際観光ニュース:中国四川・桃坪村がUNWTOベスト・ツーリズム・ビレッジに
2024年、中国南西部の四川省にある桃坪村が、国連世界観光機関(UNWTO)のベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれました。チャン族の文化と山あいの自然が評価されたこの村は、2025年のいまも国際的な注目を集め続けています。
桃坪村とは?四川の山あいに息づくチャン族の村
桃坪村は、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州・理県に位置する集落で、中国で最も古い少数民族の一つとされるチャン族にとって重要な居住地です。周囲を山々に抱かれたこの村には、およそ3000年にわたるチャン族の文化的な歩みが息づいているとされています。
村の暮らしや祭礼、建築様式、言葉や音楽など、日常のさまざまな場面にチャン族の伝統が色濃く残っている点が特徴です。こうした文化と自然が一体となった景観が、時を超えたタペストリーのように語られています。
UNWTOベスト・ツーリズム・ビレッジとは
国連世界観光機関(UNWTO)が行うベスト・ツーリズム・ビレッジのコンペティションは、農村地域や小さな村の観光を通じて、文化の保護や持続可能な発展を目指す取り組みを評価するものです。桃坪村は、この国際的な選考で2024年に選出され、四川省では初めてこの栄誉を受けた村となりました。
選出は観光地としての人気だけでなく、地域社会が長い歴史を持つ文化を守り、自然環境と調和しながら未来につなごうとする姿勢が評価された結果といえます。
なぜ桃坪村が選ばれたのか 文化と自然のバランス
今回の受賞理由として特に注目されるのは、次のような点です。
- 山々に抱かれた自然環境と集落が一体となった景観
- 約3000年にわたり受け継がれてきたチャン族の文化的遺産
- 伝統を守りながら観光と共生しようとする地域の取り組み
観光客に向けて文化をわかりやすく紹介しつつ、地域の日常や信仰、祭りなどの核心部分を守ることは、多くの地域に共通する課題です。桃坪村の選出は、そうしたバランスを模索するモデルケースとしても位置づけられます。
中国の農村観光と地域振興への示唆
桃坪村が四川省で初めてベスト・ツーリズム・ビレッジに選ばれたことは、中国の農村観光や地域振興の流れを考えるうえでも意味を持ちます。
人口流出が進みがちな山間部や農村地域にとって、観光は、新たな仕事や収入源を生み出しつつ、文化や自然を次世代に引き継ぐ手段にもなりえます。一方で、短期的なブームに依存しすぎると、環境負荷の増大や地域文化の形骸化につながるおそれもあります。
国際機関による評価は終着点ではなく、地域が長期的な視点で観光とどう向き合うのかを考えるきっかけになります。桃坪村の事例は、観光をきっかけに自らの歴史や文化の価値を再確認し、地域内外で対話を深めるプロセスとしても注目されます。
これからの桃坪村と、私たちが学べること
2025年以降、桃坪村にはこれまで以上に多くの関心が寄せられていくとみられます。その過程で、地域がどのようにチャン族の文化を守り、自然と共生しながら観光と向き合っていくのかは、国際社会にとっても一つの参考事例となるでしょう。
私たちにとっても、どこか遠くの観光地の話ではなく、自分たちの暮らす地域で何を守り、何を開いていくのかを考えるヒントになります。3000年の歴史を持つ桃坪村の挑戦は、グローバル化とローカルな文化の共存という、現代の大きなテーマを静かに映し出していると言えます。
Reference(s):
Next Stop: Taoping Village, a timeless tapestry of culture and nature
cgtn.com








