中国が医療保険薬剤リストを更新 91品目追加で患者負担軽減へ
中国が国家医療保険の薬剤リストを更新し、91の新薬を追加しました。平均63%の値下げにより、2025年の患者負担が大幅に軽くなる見込みで、医療アクセスをめぐる国際ニュースとしても注目されています。
91の新薬を追加、平均63%の値下げ
中国の国家医療保障局によると、新たに発表された国家医療保険薬剤リストには91品目の医薬品が新規収載されました。これらの薬剤の価格は、交渉前と比べて平均63%引き下げられ、2025年の1年間で患者の自己負担額を合計500億元(約69億5,000万ドル)以上減らせると見込まれています。
がん、糖尿病、希少疾患から抗感染薬、精神科薬まで
今回の更新では、以下のような分野の医薬品が幅広く含まれています。
- 腫瘍(がん)治療薬
- 糖尿病などの慢性疾患向けの薬剤
- 希少疾患(患者数が少ない病気)向けの薬剤
- 抗感染薬
- 精神科領域の薬剤
慢性疾患や希少疾患、精神疾患は、長期にわたる治療が必要で、薬剤費が家計の大きな負担になりやすい分野です。公的医療保険リストに収載されることで、こうした治療薬へのアクセス向上が期待されています。
43品目を削除し、リストを適正化
一方で、今回の見直しでは43品目の医薬品がリストから外されました。理由としては、臨床現場でより新しい薬に置き換えられたことや、生産・供給がすでに行われていないことなどが挙げられています。
新しい薬を加える一方で、役割を終えた薬を整理することで、医療保険の対象をより実態に即したものにする狙いがあるとみられます。
7年連続の見直しで、収載薬は3,159品目に
国家医療保険薬剤リストの調整は7年連続で行われており、今回の更新により収載される医薬品は合計3,159品目になりました。中国当局は、慢性疾患や希少疾患、小児向けの薬剤など、日常生活や将来に大きな影響を与える分野での保障強化を進めているといえます。
- 長期治療が必要な患者の経済的負担を軽減
- 高額になりがちな新薬の価格を抑制
- 医療保険財源の効率的な活用と、制度の持続可能性の両立
2025年1月から全国で適用、これからの論点は
この新しい薬剤リストは、2025年1月1日から中国全土で適用されています。2025年も終盤を迎えるなかで、医療現場や患者の負担感にどのような変化が出ているのか、今後のデータや現場の声が注目されます。
公的医療保険の対象をどう設計するかは、日本を含む多くの国と地域が向き合う共通のテーマです。中国のように定期的な見直しを重ね、価格交渉を通じて新薬の負担を抑える動きは、医療と財政のバランスを取る一つのモデルとして、今後もウォッチしておきたい動きです。
Reference(s):
China renews national medical insurance catalog, adds 91 new drugs
cgtn.com








