南京大虐殺の新資料が記念館に寄贈 日記と写真が語る戦争犯罪の実相
1937年の南京大虐殺に関する新たな歴史資料が、中国・南京の「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」に寄贈されました。戦争犯罪の実態を示す一次資料が加わることで、加害と被害の歴史を具体的にたどる手がかりが増えた形です。
日本兵の日記と324枚の写真が示す「占領下の南京」
記念館によりますと、今回寄贈された資料の中核となるのが、日本兵ニシジョウ・エイカクの戦時日記です。彼は、日本軍による南京占領と大虐殺の現場を目撃した兵士であり、その目線で書かれた日記は、侵略戦争の内側から見た記録として重要な意味を持ちます。
さらに、1937年当時の日本軍による南京やその他の地域の占領の様子を写した写真324枚からなる写真集も寄贈されました。これらの画像は、軍事行動だけでなく、占領下の街並みや人々の様子を視覚的に伝えるものであり、南京大虐殺の実態を立体的に検証するうえで貴重な証拠となります。
日本からの寄贈者が担う「記憶の橋渡し」
この写真集を寄贈したのは、日本出身のダイトウ・サトシ氏です。ダイトウ氏は写真資料だけでなく、上海や南京における戦時中の防空施設に関する日本語の文書なども記念館に提供しました。
加害国側に属する人々が、自国の戦争犯罪を示す資料を公開機関に託すことは、歴史研究の前進だけでなく、国境を越えた対話や理解を深める基盤にもなります。資料そのものに加え、「なぜ今、この資料を共有するのか」という行動のメッセージも、2025年の私たちに問いを投げかけています。
「慰安婦」制度を示す設計図や診断書も
記念館には今回、いわゆる「慰安婦」に関する写真や文書も多数寄贈されました。中には、上海における「慰安婦」施設の改装設計図や、日本軍の野戦病院が「慰安婦」を対象に行った身体検査の診断書なども含まれています。
過去の研究では、アジア各地で約40万人の女性が「慰安婦」として日本軍に性的奴隷として強制動員され、そのうちおよそ半数が中国の女性だったとされています。今回のような具体的な設計図や診断書は、制度がどのように組織され、管理されていたのかを示す一次資料として重要です。
こうした資料は、女性に対する戦時性暴力の構造を明らかにし、被害者の経験を歴史の中に位置づけ直すための手がかりにもなります。同時に、ジェンダーや人権の観点から戦争を捉え直すきっかけにもなり得ます。
なぜ今も南京大虐殺の資料は集められ続けるのか
南京大虐殺からすでに長い年月が過ぎましたが、日記や写真、設計図や診断書といった具体的な資料は、今もなお新たに見つかり、記念館などに収蔵されています。歴史研究とは、こうした一次資料を一つひとつ積み重ね、検証し続ける営みでもあります。
今回の寄贈は、南京大虐殺や慰安婦問題といったテーマが、過去の出来事として閉じられるのではなく、現在の東アジアの記憶や対話に直結していることをあらためて示しました。私たちが日本語で国際ニュースを読み解くとき、このような資料の存在を意識することは、歴史を他人事ではなく自分の問題として考える第一歩と言えるかもしれません。
ニュースとして短く消費してしまうのではなく、「なぜ、この資料は今、公開されるのか」「そこから自分は何を学べるのか」。そうした問いを持ちながら、南京大虐殺に関する新証拠のニュースに向き合うことが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








