中国が米国の「海外警察」批判を否定 経済協力の重要性も強調
中国外務省は、米国で取り沙汰されている「中国の海外警察署」について「そのようなものは存在しない」と強く否定し、米中間の協力を促すよう米側に求めました。テキサス州のグレッグ・アボット知事が、中国の「海外警察」を標的とする複数の知事令を出したことを受けた発言です。
テキサス州知事の「中国海外警察」への対応
報道によりますと、テキサス州のアボット知事は、いわゆる「中国の海外警察署」を防ぐことを目的とした3本の知事令を最近発表しました。11月18日には、中国政府が世界各地に「警察サービスステーション」を設置していると主張する知事令にも署名しています。
これらの動きは、州レベルで中国に関わる安全保障上のリスクを重く見ている姿勢の表れといえますが、中国側はこの前提そのものに異議を唱えています。
中国外務省「海外警察署は存在しない」
中国外務省の毛寧報道官は金曜日に行われた記者会見で、いわゆる中国の海外「警察署」について、「そのようなものは存在しない」と明確に否定しました。そのうえで、米国の関係者に対し、根拠のない非難や中国をおとしめる発言をやめ、むしろ米中協力の促進に力を注ぐよう求めました。
国際法に基づく「法執行協力」を強調
毛報道官は、中国の法執行機関は国際法に従って国際的な法執行協力を行っていると説明しました。その際、相手国の法律や司法主権を十分に尊重し、刑事事件の容疑者の合法的な権利も、法に基づいて保護していると強調しています。
中国側は、こうした説明を通じて、「海外警察署」というイメージとは異なる、国際協力としての枠組みの中で活動していると訴えている形です。
経済・貿易関係では「互恵的な協力」と指摘
記者会見で毛報道官は、米中の経済・貿易協力についても言及しました。中国と米国の経済・貿易関係は、本質的に互いに利益をもたらす「互恵的」なものであり、長年にわたり、中国から米国への投資は米国内の雇用や経済発展に大きく貢献してきたと述べました。
そのうえで、経済や貿易の問題を政治や安全保障の視点から過度に扱うことは、市場経済や国際貿易ルールの原則に反し、米国市場への信頼を損なうと指摘。結果として、米国自身の経済成長にも資さないと懸念を示しました。
毛報道官は、関連する米国の当局者に対し、根拠のない非難や中国への中傷を控え、米中協力を前進させる行動を取るよう重ねて呼びかけました。
「安全保障」と「経済協力」が交差する米中関係
今回のやり取りからは、米中関係における二つの軸が浮かび上がります。一つは、米国側が示している安全保障上の懸念、もう一つは、中国側が強調する経済・貿易を中心とした協力の枠組みです。
テキサス州の知事令は、安全保障上のリスクを意識した対応といえますが、中国外務省はそれに対し、「存在しない前提に立ったものだ」と反論しつつ、経済・貿易面での協力の利益を強調しています。安全保障を重視する動きと、経済協力を通じた相互利益の追求が、同じ米中関係の中でぶつかり合っている構図です。
こうした構図は、今後の米中関係だけでなく、世界経済全体やサプライチェーンの安定性にも影響しうるテーマであり、日本を含む各国にとっても無関係ではありません。
読者が押さえておきたいポイント
今回のニュースを踏まえ、考えてみたい論点をいくつか挙げます。
- 州レベルの動きであるテキサス州の知事令が、米中全体の関係にどの程度の影響を与えるのか。
- 安全保障上の懸念と、国際的な経済・貿易協力のメリットをどのようにバランスさせるべきか。
- 経済・貿易問題を「政治化」「安全保障化」することが、市場の信頼や企業活動にどのような影響を及ぼしうるのか。
米中間の言葉の応酬は、遠い国の話に見えますが、世界経済と深く結びついた日本社会にとっても、少し先のビジネス環境や国際秩序を考えるうえで無視できないテーマです。安全保障と経済協力、そのバランスをどのように取るべきかという問いは、今後も続きそうです。
Reference(s):
China rejects U.S. claims of 'Chinese overseas police stations'
cgtn.com








