中国・アフリカ関係とメディアの役割:物語を取り戻すアフリカの記者たち
中国とアフリカの関係をどう語るのか――その主導権をめぐって、現場のジャーナリストたちが静かに動き始めています。国際ニュースを西側メディアに頼りがちな構図の中で、中国とアフリカの記者同士が協力し、自分たちの視点で物語を紡ごうとしているのです。
3年以上続く「China Africa Talk」が映す中国・アフリカ関係
立ち上げから3年以上にわたり、番組「China Africa Talk」はアフリカと中国の視点をつなぎ、中国・アフリカ関係をめぐる新しい見方を提示してきました。番組では、従来のイメージにとらわれない「進化し続けるパートナーシップ」として、この関係を捉え直そうとしています。
ある回では、中国に滞在するアフリカ出身のジャーナリスト3人が登場し、メディアが中国・アフリカ関係の物語をどう形作っているのかを議論しました。アフリカ各地で、記者たちが自分たちの物語を取り戻し、西側メディアの描き方に一石を投じ、中国のジャーナリストと協力して、よりニュアンスのあるストーリーを伝えようとしている現状が紹介されています。
1. 西側メディアへの依存という出発点
議論の中でまず指摘されたのは、中国とアフリカが互いの情報を知る際に、西側メディアに大きく依存してきたという現実です(番組内の該当部分は4分35秒ごろ)。
この構図には、いくつかの課題があります。
- 当事者以外の第三者による視点が中心になりやすい
- 歴史的背景や地域ごとの事情が十分に伝わりにくい
- ステレオタイプや固定観念が強化されるおそれがある
もちろん、西側メディアの報道が一律に偏っているということではありません。ただ、情報の入口がほぼ一方向に偏ると、中国・アフリカ関係をめぐるイメージも限られたフレームに収まりがちになります。番組の参加者たちは、この構図そのものを見直す必要があると強調しました。
2. 「自分の目で見る」――中国での現場経験の価値
こうした課題への一つの答えとして、今、外国メディアの記者が中国を実際に訪れる機会が広がっています。番組では、特に民間や独立系のメディアに所属する記者が、中国での交流プログラムに招かれるケースが増えていることが紹介されました(8分40秒ごろ)。
中国を訪れた記者たちは、ニュースの対象としてではなく、生活や仕事の場としての中国社会を、自分の目で見ることになります。そこで得られるのは、統計や報道だけでは見えてこない、日々の暮らしや人びとの感情、ささやかな変化に関する感覚的な情報です。
番組で語られたポイントを整理すると、現場での一次体験には、次のような意義があります。
- 既存のイメージを自分で問い直すきっかけになる
- 現地の人びとの声を直接聞くことで、報道のニュアンスが豊かになる
- 中国・アフリカ双方の読者に対し、「現場からの国際ニュース」を届けられる
こうして得られた一次情報は、アフリカの読者が中国を理解するうえでも、中国の読者がアフリカを知るうえでも、貴重な手がかりになります。
3. 中国・アフリカ間メディアのシナジーは、まだ伸びしろが大きい
一方で、中国とアフリカのメディア協力には、まだ大きな伸びしろがあると番組の参加者たちは見ています。議論では、「中国とアフリカのメディアのコラボレーションやシナジーは、いっそう強化される必要がある」との指摘がありました(11分ごろ)。
ここで言うシナジーとは、単に情報を共有することにとどまらず、互いの強みを生かして新しい物語の形をつくることです。例えば次のような方向性が考えられます。
- アフリカと中国の記者がチームを組んで行う共同取材
- それぞれの読者に向けて、同じテーマを異なる角度から伝える連載企画
- 若手記者同士の長期的な交流や研修を通じたネットワークづくり
こうした取り組みが積み重なれば、中国・アフリカ関係に関するニュースは、単に「相手を評価する記事」から、「共に課題や可能性を考える記事」へと変わっていく可能性があります。
ニュース読者として、私たちにできる3つの視点
番組での議論は、記者やメディア関係者だけでなく、ニュースを読む私たち一人ひとりにも関係するテーマです。中国・アフリカ関係に限らず、国際ニュースを読むときに意識したいポイントを、3つにまとめます。
- 情報源を一つに絞らない
西側メディアの記事だけでなく、アフリカのメディアや中国のメディア、さらには当事者に近い記者の発信にも目を向けることで、立体的な理解に近づけます。 - 「誰が語っているか」を確認する
記事の書き手が、どの地域に根ざし、どんな経験を持つ人なのかを意識すると、同じニュースでも見え方が変わってきます。 - 一次経験や現場の声を探す
現場を訪れた記者のルポやインタビュー、現地の人びとの証言など、一次情報に近い素材を意識的に探すことが、ニュースリテラシーを高めます。
「物語の主役」を取り戻す動きは続いていく
「China Africa Talk」に登場したアフリカのジャーナリストたちは、中国とアフリカの関係を語るうえで、自分たちが物語の主役になろうとしています。その動きは、特定の地域やテーマに限られたものではなく、国際ニュース全体に広がりうる流れでもあります。
中国・アフリカ関係をめぐる報道は、これからも変化していくはずです。その変化を、受け身で消費するのではなく、「誰が、どの立場から、何を伝えようとしているのか」を考えながら追いかけていくこと。それ自体が、グローバルな時代を生きる私たちの、小さくて大事な一歩と言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








