中国農村改革の原点・シャオガン村 観光でよみがえる「農村改革第一村」
中国農村改革の象徴とされるシャオガン村(Xiaogang Village)が、いま観光を通じてどのように生まれ変わっているのかを追います。かつて貧困に苦しんだ小さな村は、2024年に国連世界観光機関(UNWTO)の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれ、国際ニュースとしても注目を集めています。
中国農村改革の原点・シャオガン村とは
中国東部・安徽省鳳陽県にあるシャオガン村(Xiaogang Village)は、「中国農村改革の先駆け」として知られています。かつてはやせた土地と水不足に悩まされ、住民は生計を立てるのも難しい状況でした。
1978年、18人の農民が押した赤い指紋
転機となったのは1978年、村の古いわらぶき小屋で交わされた一枚の契約書でした。18人の農民が、耕地を各世帯に分けて責任を持って耕すという内容に合意し、その契約書に赤い指紋を押して署名しました。
この大胆な決断が中国の農村改革の動きを呼び起こし、シャオガン村は「農村改革第一村」と呼ばれるようになりました。
貧困の村から観光の村へ
それから年月を重ねるなかで、シャオガン村は改革の歴史と豊かなローカル文化を生かして観光に力を入れてきました。農村の風景や当時の契約書にまつわるストーリーなど、村の歩みそのものが観光資源になっています。
こうした取り組みが評価され、村は2024年、国連世界観光機関(UNWTO)が選ぶ「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」の一つに選出されました。農村改革の象徴だったシャオガン村は、いまや観光の村としても国際的に注目される存在となっています。
一人の住民が語る想像もしなかった変化
村の変化を最も強く実感しているのは、当事者たちです。1978年の契約に署名した18人の一人で、現在81歳の厳金昌(Yan Jinchang)さんは、当時をこう振り返ります。
腹を満たすことさえ難しかったシャオガンが、観光で「豊かさを味わう」日が来るなんて、夢にも思わなかった──。その言葉には、農村改革とその後の歩みがもたらした重みがにじみます。
いま、シャオガン村が投げかける問い
農村改革の原点であるシャオガン村の物語は、単なる成功物語ではありません。生活に苦しんだ人々が自らの手で変化を選び、その歴史を観光資源として次の世代につなげている点に特徴があります。
各国で地方の人口減少や農村の疲弊が課題となるなか、地域の歴史や文化をどう生かすのか、住民がどのように意思決定に参加できるのか。シャオガン村の経験は、こうした問いを私たちに静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








