中国最大のタクラマカン砂漠を「緑の帯」が一周 全長3,046キロ完成
中国北西部の新疆ウイグル自治区で、中国最大の砂漠タクラマカン砂漠をぐるりと取り囲む全長3,046キロの緑の防砂帯が完成しました。砂嵐を抑え、周辺地域の暮らしと環境を守る大規模プロジェクトが、一つの節目を迎えた形です。
タクラマカン砂漠を一周する「緑の壁」
タクラマカン砂漠は、その過酷な自然条件から「死の海(Sea of Death)」とも呼ばれてきた中国最大の砂漠です。現地当局によると、この砂漠の周囲が、砂の移動を抑える緑の防砂帯によって全長3,046キロにわたり完全に取り囲まれました。
この「緑の帯」は、風によって運ばれる砂を食い止め、道路や農地、居住地などへの被害を減らすことを目的としたものです。砂漠そのものを完全に緑地に変えるのではなく、砂漠と人の暮らしとのあいだにクッションのような境界をつくる発想です。
最後の区間は南側の于田県で植樹
新疆ウイグル自治区林業・草原局によると、防砂帯の最後の区間となったのは、タクラマカン砂漠南縁に位置する新疆・于田(ユーティエン)県の砂地でした。木曜日の朝、この一帯で植樹が行われ、防砂帯の「最後のピース」が埋まりました。
現地では、デザートポプラ(砂漠ポプラ)、サクサウル、レッドウィローなど、乾燥に強い複数の樹種が植えられています。こうした植物は、厳しい砂漠環境でも根を張り、土壌を固定する役割を担います。
砂漠化対策と地域社会への効果
砂の移動を防ぐ緑の帯は、砂漠化対策の中でも基本的な手法の一つです。タクラマカン砂漠のような広大な砂漠では、一度動き出した砂が、道路や農地、集落にまで達してしまうおそれがあります。防砂帯は、その「第一の防波堤」として機能します。
緑化が進めば、風速が弱まり、砂嵐の頻度や強さが抑えられる可能性があります。また、地下水や土壌の条件が整えば、周辺での農業や牧畜にも一定のプラスの影響が期待されます。長期的には、生態系の回復や生物多様性の向上にもつながるとみられます。
これから問われる「育て続ける力」
一方で、大規模な植林事業は「植えて終わり」ではありません。樹木がしっかりと根付き、成長を続けるには、今後も長期的な水管理や維持管理が欠かせません。気候条件が厳しい砂漠周辺では、苗木が枯れないよう見守る地道な作業が必要になります。
緑の防砂帯が完成したことで、タクラマカン砂漠周辺では、環境保全と地域の発展をどのように両立させていくかが、次の焦点となりそうです。砂漠化対策の成果をどう守り、地域の人々の暮らしや仕事と結びつけていくのか。その試みは、中国北西部だけでなく、世界各地の乾燥地域にも示唆を与える取り組みと言えます。
Reference(s):
cgtn.com







