中国河北の世界自然遺産で絶滅危惧のコウノトリ約300羽を確認
中国北部の河北省にある世界自然遺産・南大港湿地で、絶滅危惧種オリエンタル・ホワイト・ストーク約300羽が確認されました。渡り鳥にとって重要な湿地で、近年進められてきた生態系の回復が成果を上げている可能性があります。
南大港湿地で約300羽を確認
現地当局によると、中国北部の河北省滄州市に位置する南大港湿地で、オリエンタル・ホワイト・ストークがおよそ300羽確認されました。南大港湿地は世界自然遺産にも登録されている湿地で、今回の観察はこの地域の生物多様性の豊かさを改めて示すものです。
報告によれば、確認された個体はいずれも同じ湿地周辺に集まり、採餌や休息を行っていたとされています。現地当局は金曜日にこの状況を明らかにしました。
最高レベルで保護される絶滅危惧種
オリエンタル・ホワイト・ストークは、大型の水鳥で、現在は個体数が限られている絶滅危惧種です。中国では最高レベルの保護対象種とされており、国際自然保護連合(IUCN)によっても絶滅危惧種に指定されています。
このような希少種が一度に数百羽規模で確認されることは、保全の観点から大きな意味があります。生息地の環境が安定し、繁殖や渡りの中継地として機能している可能性を示しているためです。
東アジア・オーストラリア渡り飛行ルートの要所
南大港湿地は、東アジア・オーストラリア渡り飛行ルート(フライウェイ)上の重要な中継地であり、渡り鳥にとっては休息と繁殖の拠点となっています。今回確認されたオリエンタル・ホワイト・ストークも、この広域の渡りの一部として南大港湿地を利用しているとみられます。
このルートは、東アジアからオーストラリアにかけて多くの水鳥が季節ごとに往来する経路であり、各地の湿地がネットワークのようにつながることで、渡り鳥の命を支えています。その一つひとつの地点の環境が損なわれれば、ルート全体に影響が及ぶおそれがあります。
徐々に回復してきた湿地生態系
南大港湿地では近年、水域や浅瀬、生息地となる島々などからなる自然の湿地生態系が、徐々に回復してきたとされています。こうした環境の整備・回復が進むことで、多様な水鳥や野生生物が利用しやすい場所になってきたと考えられます。
水深の異なる水域や、捕食者から身を守れる島状の地形は、水鳥にとって安全に休み、採餌し、繁殖するために欠かせない要素です。今回の観察結果は、そのような環境づくりが一定の成果を上げている可能性を示しています。
このニュースが示すもの
絶滅危惧種の渡り鳥が安心して立ち寄れる湿地が維持されているかどうかは、地域だけでなく地球規模の生物多様性に関わる問題です。南大港湿地でのオリエンタル・ホワイト・ストーク約300羽の確認は、湿地の価値と保全の重要性を改めて浮かび上がらせました。
日本を含む東アジアの各地でも、開発や気候変動の影響を受けながら、湿地の保全・再生に向けた取り組みが続いています。今回の事例をきっかけに、私たち一人ひとりが、渡り鳥の飛ぶ空の下でどのように自然と共生していくのかを考える機会にしてみてもよいかもしれません。
※本記事は2025年12月8日時点で報じられている内容に基づいています。
Reference(s):
cgtn.com








