中国とロシアが日本海上空で共同戦略パトロール 「第三国対象せず」 video poster
中国とロシアが今年11月末、日本海と西太平洋西部の上空で共同の戦略的空中パトロールを実施しました。中国国防省は、この中露共同戦略パトロールは両軍の年次協力計画の一環であり、特定の第三国を対象とするものではなく、現在の国際情勢や地域情勢とも関係しないと説明しています。
中露共同パトロールの概要
中国国防省の張暁剛報道官によると、今回の中露共同戦略空中パトロールは、今年11月29日と30日にかけて実施されました。中国軍とロシア軍の空軍部隊が、日本海および西太平洋西部の上空を共同で飛行しました。
- 実施日:2025年11月29日・30日
- 実施空域:日本海および西太平洋西部の上空
- 参加:中国軍とロシア軍の空軍部隊
- 目的:共同訓練と共同作戦能力の検証・向上
張報道官は、両国空軍が共同で行ったこの戦略パトロールにより、合同訓練と共同作戦の能力が効果的に検証され、強化されたと評価しました。
「第三国を対象とせず」と強調する狙い
張報道官は、今回のパトロールについて、両軍の年次協力計画に基づいて行われた定例的な活動だと位置付けました。その上で、第三国を対象とせず、現在の国際的・地域的な情勢とは無関係であると繰り返し強調しています。
日本海や西太平洋は、多くの国や地域が安全保障上の関心を持つエリアです。そのため、大規模な軍用機の飛行や合同パトロールは、周辺の防衛当局から注視されやすい動きでもあります。その中で、中国国防省が活動の性格を明確に説明していることは、透明性を高めようとする姿勢の表れと受け止めることもできます。
年次協力計画としての中露軍事協力
中国とロシアの両軍は、年次協力計画に基づき、共同訓練やパトロールを継続的に実施してきました。今回の共同戦略空中パトロールも、その一環とされています。
こうした年次計画にもとづく協力には、次のような意味合いがあります。
- 平時からの連携強化:相互の通信手順や飛行ルールをすり合わせることで、連携行動の正確性を高める
- 共同作戦能力の向上:長距離飛行や複数機種の編隊飛行など、実戦を想定した訓練を通じて、運用能力を磨く
- 予見可能性の向上:計画にもとづく定期的な活動とすることで、周辺国・地域に対しても一定の予見可能性を示す
中国側は、こうした協力が地域の安定や安全に資するものであり、特定の国や地域を標的とするものではないという立場を示しています。
東アジアの安全保障環境の中でどう見るか
日本海と西太平洋西部は、東アジアの安全保障にとって重要な海空域です。今回のような中露両軍による共同戦略パトロールは、地域の安全保障環境を考えるうえで、無視できない要素の一つとなっています。
一方で、中国国防省は、活動の性格を「年次計画に基づく定例訓練」であると説明し、第三国を対象とせず、現下の国際・地域情勢とは切り離して捉えるべきだとしています。こうした説明は、周辺国・地域の懸念に配慮しつつ、自国の防衛協力の枠組みを明確にする試みとも言えます。
東アジアの安全保障環境は、多くの国と地域の利害が重なり合う複雑な構図の中にあります。中露の動きに加え、他の国・地域の防衛政策や演習も相互に影響し合います。そのため、一つひとつの動きを過度に単独で切り取るのではなく、全体のバランスや対話のチャンネルの有無なども含めて、落ち着いて見ていくことが重要です。
押さえておきたいポイント
忙しい読者の方のために、今回のニュースの要点を整理します。
- 中国とロシアの両軍が、2025年11月29日・30日に日本海と西太平洋西部上空で共同戦略空中パトロールを実施した
- 中国国防省の張暁剛報道官は、この活動が両軍の年次協力計画にもとづくものであり、特定の第三国を対象とせず、現在の国際・地域情勢とも無関係だと説明した
- 共同パトロールを通じて、中露両軍は合同訓練・共同作戦能力を検証し、強化したとされる
- 東アジアの重要な海空域での動きとして周辺からの注目を集める一方、中国側は透明性や予見可能性を重視する姿勢も示している
国際ニュースを追ううえでは、こうした各国の公式説明と、地域全体の安全保障環境の両方を視野に入れながら、自分なりの視点を育てていくことが求められます。
Reference(s):
China-Russia strategic air patrol targets no third party: spokesperson
cgtn.com








