中国とキルギスが経済・インフラ協力を加速 成都で外相会談
中国とキルギスが、貿易やインフラ、国際機関での協力をさらに深める方針を打ち出しました。2025年終盤の中央アジア情勢を考えるうえで注目すべき動きです。
成都で外相会談、関係は急速に発展
中国の王毅外相(中国共産党中央政治局委員)と、キルギスのクリュバエフ外相が、中国南西部の成都で現地時間の土曜日に会談しました。両外相は、中国とキルギスの包括的戦略パートナーシップを、より高い水準へと押し上げることで一致しました。
王毅外相は、中国とキルギスの関係が近年急速に発展していると述べ、その証拠として複数の共同プロジェクトを挙げました。とくに、間もなく開業する予定の中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道や、ベシュケント国境港の段階的な運用開始などが、両国関係に大きな推進力を与えていると評価しました。
王毅外相は「相互尊重と支え合いという良き伝統を引き継ぎ、戦略的な信頼をさらに深め、互恵協力を拡大すべきだ」と述べ、両国の包括的戦略パートナーシップを新たな段階に引き上げたい考えを示しました。
鉄道と国境港が象徴するインフラ協力
会談では、とくに交通インフラと国境をまたぐ物流の整備が、今後の協力の柱として位置づけられました。
- 中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道の開業準備を加速
- ベシュケント国境港のインフラ整備と段階的な開放
- その他の大型プロジェクトによる物流網の強化
王毅外相は、ベシュケントをはじめとする主要な国境港でのインフラ改善を進めるとともに、両国間の直行便を増便する考えも示しました。人やモノの往来を増やすことで、観光やビジネスの拡大を後押しする狙いがあります。
サービス貿易・投資協定で法的な土台づくり
経済分野では、サービス貿易と投資に関する政府間協定の早期署名が焦点となりました。王毅外相は、この協定を加速させることで、今後の協力を支える法的な枠組みを整備したいと強調しました。
協定が実現すれば、両国企業の投資ルールが明確になり、金融や物流、ITサービスなど、モノ以外の分野でも長期的な協力が進みやすくなるとみられます。
キルギス側「政治的な相違はない」
キルギスのクリュバエフ外相は、両国の利害が強く一致しており、中国とキルギスの間に政治的な相違は存在しないと強調しました。2025年には首脳会談を含むハイレベルな交流が続いており、その成果を高く評価しました。
さらに同外相は、両国間に高位戦略対話のメカニズムを設けることに期待を示しました。そのうえで、貿易や投資だけでなく、税関手続きや港湾運営などの分野でも協力を一層深めたいと述べました。
- 両国間に政治的な相違はないという認識
- 首脳レベルを含む高位交流の成果
- 戦略対話メカニズム創設への期待
- 貿易・投資・税関・港湾での実務協力の拡大
国連やSCO、中国・中央アジア枠組みで連携強化
両国は、二国間だけでなく、多国間の場でも協力を強めていく方針です。会談では、国連や上海協力機構(SCO)、中国と中央アジア諸国の協力枠組みである中国・中央アジアメカニズムなど、国際的な場での調整と連携を深めることで合意しました。
クリュバエフ外相は、中国がSCOの輪番議長国を務めることへの全面的な支持を表明しました。また、地域協力を重視する価値観として位置づけられる上海精神を積極的に実践し、地域の安定と発展に貢献していく意欲を示しました。
日本の読者にとっての意味
今回の中国・キルギス関係の強化は、日本から見ると遠い地域の出来事に見えるかもしれません。しかし、中央アジアの交通インフラや物流ネットワークが整備されれば、ユーラシア大陸全体の貿易ルートに影響を与えます。
例えば、欧州とアジアを結ぶ陸路の選択肢が増えれば、エネルギーや資源、製造業のサプライチェーンにも変化が起こり得ます。日本企業にとっても、今後のビジネス展開やリスク分散を考えるうえで、こうした動きを把握しておくことが重要になりそうです。
また、SCOや中国・中央アジアメカニズムといった地域の枠組みがどのように機能し、安全保障や経済協力にどのようなルールをもたらすのかは、中長期的な国際秩序を考えるうえでも見逃せないポイントです。今回の会談は、その一つの方向性を示すものだと言えるでしょう。
Reference(s):
China, Kyrgyzstan to deepen cooperation across various sectors
cgtn.com








