第12回グローバル・ビデオメディア・フォーラム開幕 AIと映像で文化交流
動画メディアと人工知能(AI)が、国際ニュースと文化交流のあり方をどう変えていくのか。そのヒントを探る国際会議「第12回グローバル・ビデオメディア・フォーラム」が、中国南東部の福建省泉州市で開幕しました。
世界60以上の国と地域から、87のメディア組織を代表する約200人が参加し、動画メディアの役割やAIの活用方法について議論しています。
第12回グローバル・ビデオメディア・フォーラムとは
今回で12回目を迎えたグローバル・ビデオメディア・フォーラムは、動画を軸にした国際報道やエンターテインメント、情報発信の未来をテーマにした国際会議です。開催地は、中国南東部の港町・泉州。アジアや欧州、アフリカなど幅広い地域からメディア関係者が集まりました。
参加者たちは、ニュース映像やドキュメンタリー、オンライン動画プラットフォームまで、さまざまな現場の経験を持ち寄り、国際ニュースの伝え方や、文化の違いをどう乗り越えるかについて意見を交わしています。
キーワードは「文化交流」と「AI」
今回のフォーラムで特に重視されているキーワードが、「文化交流」と「AI」です。参加者たちは、動画メディアが異なる文化や価値観をどうつなぐか、そしてAIがその現場でどのように役立つかを共有しています。
動画メディアは「物語の架け橋」
開幕式でスピーチを行った中国メディアグループ(China Media Group, CMG)総裁の慎海雄(Shen Haixiong)氏は、メディアの役割として、文化や人々をつなぎ、交流の物語を記録することの重要性を強調しました。
国や地域ごとに歴史や生活スタイルは異なりますが、映像を通じて互いの日常や課題を知ることで、理解が少しずつ深まっていく。そのような期待がにじむメッセージです。
ショート動画やライブ配信が当たり前になった今、ニュースもエンタメも「誰が、どの文化の視点から語るのか」がますます問われています。動画メディアは、単に情報を早く届けるだけでなく、異文化の物語を翻訳し合う場にもなりつつあります。
AIは動画制作の「新しい相棒」
フォーラムでは、AIの活用も大きなテーマです。参加者たちは、例えば次のような活用例を紹介しています。
- 自動翻訳や自動字幕で、多言語の視聴者にニュースを届ける
- 映像編集やサムネイル作成を自動化し、制作の効率を高める
- 視聴データを分析し、視聴者の関心に合ったコンテンツを提案する
一方で、AI生成コンテンツが増えるほど、「どこまでが人間の取材・編集によるものか」「映像は本物か」といった信頼性や倫理の課題も浮かび上がります。技術革新とメディアの信頼をどう両立させるかが、フォーラムの重要な論点の一つとなっています。
中国発のメディア対話が持つ意味
中国福建省で開かれたこの国際ニュース・フォーラムには、アジアだけでなく、欧州、アフリカ、中東、南米など、多様な地域の参加者が集まりました。慎氏は、異なる文化や社会を結ぶ「橋」としてメディアが果たす役割を強調し、相互理解を深めるストーリーテリングの重要性を訴えています。
国際情勢が複雑さを増す中で、対立や分断ではなく、交流や協力の側面に光を当てるニュースやドキュメンタリーをどう増やすか。泉州を舞台にしたこのフォーラムは、その問いを共有する場にもなっています。
日本の読者にとってのポイント
日本でニュースや動画コンテンツを日々消費する私たちにとって、このフォーラムはどんな意味を持つのでしょうか。いくつかのポイントに整理してみます。
- 国際ニュースの見え方が変わる
動画の撮り方や編集、AIによる翻訳の精度次第で、同じ出来事でも受け取る印象は大きく変わります。どの視点から語られた映像なのかを意識して見ることが、これまで以上に大事になりそうです。 - クリエイターや企業にとってのチャンス
AIを活用した動画制作は、大規模メディアだけでなく、個人クリエイターや中小企業にも広がっています。国際会議で共有されるノウハウは、日本のコンテンツビジネスにも応用可能です。 - 情報リテラシーの重要性
AIによる映像生成や編集が高度になるほど、「本物らしく見える偽物」も増えます。動画の出どころや文脈を確認する姿勢が、視聴者一人ひとりに求められます。
これからの動画メディアをどう使いこなすか
第12回グローバル・ビデオメディア・フォーラムは、動画メディアとAIが交わる最前線を映し出す国際ニュースの一つです。技術が進めば進むほど、最後に問われるのは「どんな物語を、どのような姿勢で伝えるか」という、人の側の選択です。
スマートフォン一つで世界中の映像にアクセスできる今、私たちもまた、小さな「メディアの担い手」です。泉州から発信される議論に耳を傾けながら、自分がどんな動画を選び、どんなニュースをシェアしていくのかを、あらためて考えてみてもよさそうです。
Reference(s):
cgtn.com








