中国の伝統医療を世界へ 習近平氏が国際協力強化を表明
北京で開かれた世界伝統医薬会議に合わせて、中国の習近平国家主席が伝統医療を通じた国際協力の強化を呼びかけました。中国のメッセージは、世界の医療のあり方を考えるうえでどんな意味を持つのでしょうか。
北京で開催された世界伝統医薬会議
2024年12月3〜4日に北京で開かれた2024年世界伝統医薬会議は、世界保健機関(WHO)と中国の国家衛生健康委員会などが共催しました。本記事では、この会議に寄せられた習近平国家主席のメッセージのポイントを整理します。
会議のテーマは、多様性・継承・イノベーション、そしてすべての人のための伝統医薬というもので、世界各地の伝統医療や補完医療を、各国の医療制度の中でどのように位置づけ、誰もがアクセスできるようにするかが議論されました。
習近平氏のメッセージの要点
習近平国家主席は、会議の開幕にあわせて祝辞を送り、中国が伝統医療の発展を通じて世界の人々の健康に貢献していく姿勢をあらためて示しました。発言の主なポイントは次の通りです。
- 各国・各地域が医療と保健分野での協力を強め、共通の健康課題にともに取り組む必要があると強調したこと
- 世界の人々のための健康共同体を築くことを呼びかけたこと
- 各地の伝統医療どうしが学び合う相互学習を進め、世界の保健医療システムの中により深く組み込んでいく考えを示したこと
- 伝統医療の文化を革新的な形で継承・発展させていくことの重要性を指摘したこと
伝統中国医学への位置づけ
メッセージの中で習主席は、伝統中国医学(Traditional Chinese Medicine、TCM)についても言及しました。中国は近代医学と伝統中国医学の双方を重視し、伝統医療の独自の発展モデルを切り開いてきたとしています。
今後も、この二つを同等に重んじるという方針のもとで、伝統医療の役割をさらに高めていく方針を示した形です。
世界の医療システムとどうつながるか
世界伝統医薬会議は、各国の伝統医療や補完医療を、既存の医療制度とどのように連携させていくかを話し合う場でもあります。今回のメッセージは、中国がこの議論に積極的に関わり、国際社会と共に制度づくりや人材育成、文化的な継承に取り組む意欲を示したものと言えます。
同時に、世界的には安全性や有効性の検証、品質管理、適切なルールづくりも重視されています。伝統医療を広く活用していくには、科学的な知見とそれぞれの文化的背景をどうバランスさせるかが、今後の焦点となりそうです。
読者にとってのポイント
日本を含む多くの国や地域でも、漢方やハーブ療法など伝統医療との付き合い方が問い直されています。今回の会議と習近平氏のメッセージから、次のような視点を持つことができそうです。
- 伝統医療は、一国の問題ではなく国際保健の一部として議論されつつあること
- 医療は近代医学か伝統医療かという二者択一ではなく、互いの強みをどう組み合わせるかという発想が重要になっていること
- 医療制度に組み込む際には、文化の継承と科学的検証の両立が求められること
国際ニュースとして伝統医療を見ることで、自国の医療や健康観について考え直すきっかけにもなります。今後、世界保健機関や各国の当局がどのような制度設計やルールづくりを進めていくのか、引き続き注目していきたいところです。
Reference(s):
Xi: China committed to making traditional medicine benefit world
cgtn.com








