中国、次期米政権に米中関係の慎重な「第一歩」を要請 王毅外相が強調
次期米政権の発足を前に、中国の王毅国務委員兼外相は火曜日、米中関係の「第一歩」を誤らないよう米側に呼びかけました。中国は、相互尊重と平和共存に基づく安定した二国間関係を維持・発展させる方針を改めて示しています。
火曜日の会談で何が語られたか
王毅外相は、中国共産党中央政治局委員も務めています。この日、米国の民間外交団体「全米外交政策全国委員会(National Committee on American Foreign Policy=NCAFP)」のスーザン・エリオット会長率いる代表団と会談しました。
会談の中で王毅氏は、中国の対外政策、とくに対米政策は一貫して「安定性」と「継続性」を保っており、大国としての決意と信頼性を示していると強調しました。そのうえで、米国内でどのような変化が起きても、中国は相互尊重・平和共存・ウィンウィンの協力という原則に基づき、米国との関係を改善・発展させていくと述べました。
- 中国の対米政策は「ぶれない」とアピール
- 米中関係の基本原則として「相互尊重・平和共存・協力」を再確認
- 米政権交代期こそ、両国が関係安定に向けて協力すべきだと強調
習近平主席が示した「4つの変わらない」
王毅外相は、先月ペルーのリマで開かれた第31回APEC経済首脳会議(APEC Leaders’ Meeting)に合わせて行われた習近平国家主席とジョー・バイデン米大統領の首脳会談に言及しました。
その際に習主席が示した、今後の米中関係に対する中国側の期待をあらためて紹介し、「4つの変わらない」として整理しました。
- 安定的で健全かつ持続可能な米中関係を目指す目標は変わらない
- 米中関係を処理するうえでの「相互尊重・平和共存・ウィンウィン協力」という原則は変わらない
- 中国の主権・安全・発展利益を断固として守るという立場は変わらない
- 中国人民と米国人民の伝統的な友好を発展させたいという願いは変わらない
中国側は、政権交代という政治スケジュールにかかわらず、長期的な対米方針は維持されるというメッセージを発信した形です。
米中関係の行方は「米側の選択」に左右
王毅外相は、米中関係の今後の方向性は「米側の選択」にかかっていると指摘し、米国に対し「中国と共に歩み寄る」ことを求めました。
そのうえで、次のような点を米側に呼びかけています。
- 安定した対中関係の構築に迷いを見せないこと
- 中国の発展と復興は必然であり、中国は米国に挑戦したり取って代わったりする意図はないと理解すること
- 米側は「中国との競争に勝つこと」に過度にとらわれるべきではないこと
- 対話を続けることで、誤解や誤算を避け、協力を前進させること
王毅氏は、「対話はすべての問題を解決するわけではないが、相互理解の促進には役立つ」と述べ、継続的なコミュニケーションの重要性を強調しました。
台湾問題と「レッドライン」
会談では、米中関係の「ボトムライン(最低限守るべき一線)」や「レッドライン(越えてはならない一線)」にも言及がありました。
王毅外相は、とくに台湾問題について「中国の内政に属する」と強調し、米国側に対して次のように求めました。
- 一つの中国原則(ワン・チャイナ・ポリシー)に関する約束を守ること
- 中国人民が選択した発展の道と、正当な発展の権利を尊重すること
中国側にとって台湾問題が最も重要な核心的利益の一つであり、その扱い方が米中関係全体の安定に直結するという認識がにじみます。
人の往来と文化交流は「逆行させてはならない」
王毅外相は、政治・安全保障だけでなく、文化交流や人的交流の重要性も強調しました。
文化・人的交流が後退してはならないとし、中国としては両国間の人の往来を引き続き支援・促進すると表明。米国の各界からより多くの人々が中国を訪れ、交流を行うことを歓迎すると述べました。
相互理解を深めるためには、政府間の対話だけでなく、市民レベルの交流も欠かせないという考え方が示されています。
米民間外交団体は「橋渡し役」を自任
これに対し、NCAFPの代表団は、自らの目標と使命は米中関係を強化し、共通点を探り、相互理解を深めることだと説明しました。
代表団は、米中関係は歴史の中で何度も「岐路」に立たされてきたとし、今回の米政権交代という転換点においても、次のような期待を示しました。
- 両国が効果的なコミュニケーションを維持すること
- 戦略対話を継続すること
- 人的交流を強化し、二国間関係を安定させること
NCAFP側は、今後も「橋」の役割を果たし、米中関係の前向きな発展に貢献していきたいとしています。
新政権発足前に投げかけられたメッセージ
今回の発言は、次期米政権が具体的な対中政策を打ち出す前のタイミングで、中国が自らの基本姿勢と「越えてほしくない一線」をあらためて整理して示したものと受け止められます。
記事全体のポイントをまとめると、次の3つに集約できます。
- 中国は、対米政策の長期的な安定と「4つの変わらない」を強調
- 米中関係の行方は「米側の戦略認識」と台湾問題の扱いに左右されるとのメッセージ
- 緊張ではなく対話と人の交流を通じて、相互理解と協力を深める必要性を訴え
米中関係は、世界経済や地域の安全保障にも大きな影響を与えます。新しい米政権がどのように「第一歩」を踏み出すのか、そして中国とどこまで「歩み寄る」ことができるのかが、今後の大きな焦点になりそうです。
Reference(s):
China hopes new U.S. government will properly handle bilateral ties
cgtn.com








