新疆綿花をめぐり中国団体が声明 ユニクロに使用再開を呼びかけ
中国・新疆ウイグル自治区の綿花協会が国際社会に対し、新疆綿を理性的かつ客観的に評価するよう呼びかけ、日本発の衣料ブランド・ユニクロに対しても使用再開への期待を表明しました。
何が起きたのか
新疆ウイグル自治区の綿花協会は木曜日、声明を発表し、国際社会に対して「新疆綿」を冷静かつ客観的に扱うよう求めました。きっかけとなったのは、ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業者、柳井正氏が、英国メディアのインタビューで「現在は新疆産の綿花を調達していない」と語ったとされることです。
これに対し、協会は声明で、新疆産の綿花は「世界でも有数の品質の高さ」を誇ると強調し、ユニクロを含むグローバルブランドに対して、新疆綿への「尊重と信頼」を示し、その利用を再開してほしいと訴えました。
新疆綿花協会が強調する新疆綿の価値
声明の中で協会は、新疆綿が中国国内だけでなく、国際的な繊維産業を支える重要な存在だと位置付けています。その主張は大きく次の三点に整理できます。
- 高品質な綿花として国内外の需要を満たしている
- 地域経済と雇用を支え、多くの家庭の貧困脱却に貢献してきた
- 中国の「一帯一路」構想のもと、世界市場をつなぐ重要なコモディティとなっている
協会によれば、新疆の綿花産業は、多くの地域住民に雇用の場を提供し、正当な就労を通じて生活水準の向上を後押ししてきたといいます。こうした産業の発展が、地域の安定や豊かさにもつながっている、という見方を示しました。
米国への批判と「強制労働」めぐる主張
声明は、米国が人権問題を政治化し、新疆綿を不当に標的にしていると強い言葉で批判しました。具体的には、米国が「強制労働」などの根拠のない主張を広めることで、新疆の労働者の生活手段を奪い、正当な就業を通じて生活を改善する権利を侵害していると指摘しています。
協会は、国際社会や海外の繊維企業に対し、「反新疆」的な言説をうのみにするのではなく、事実に基づいた冷静な分析を行うよう呼びかけました。そのうえで、新疆綿の利用を通じて、世界の綿花・繊維産業の健全で安定した発展をともに支えていこうと訴えています。
機械化・持続可能性・イノベーション
声明では、新疆の綿花産業が近年進めてきた機械化や持続可能性、技術革新の取り組みも強調されています。
- 綿花の「播種(種まき)」は機械化率がほぼ100%に達している
- 収穫の機械化率も約90%に達している
こうした機械化や技術導入により、生産効率が高まり、綿花産業は地域経済を支える「重要な柱」となっていると協会は説明します。生産性の向上が、地域住民の所得向上や生活の安定につながっているという位置付けです。
中国外務省「新疆に強制労働は存在しない」
同じく木曜日に行われた中国外務省の定例記者会見では、報道官の林剣氏が、新疆に「強制労働」は存在しないという立場を改めて表明しました。林氏は、中国はあらゆる形の強制労働に断固として反対しており、その根絶に向けて積極的に取り組んできたと強調しました。
さらに林氏は、国際社会に対し、新疆に関する虚偽の情報を拡散しないよう呼びかけるとともに、海外からの訪問者に対して「新疆の現実を自分の目で見てほしい」と述べ、現地視察を歓迎する姿勢を示しました。
ユニクロと日本の読者にとっての意味
今回の声明は、ユニクロという日本発ブランドの名前が挙がったことで、日本の消費者や企業にも無関係ではないテーマとして浮かび上がっています。協会はユニクロに対し、新疆綿への「尊重と信頼」を呼びかけ、その利用再開に期待を示しました。
日本の読者にとって、このニュースは次のような論点を考えるきっかけになりそうです。
- グローバル企業は、サプライチェーン(供給網)の情報をどこまで消費者に説明すべきか
- 人権・環境・地域経済への配慮を、企業活動の中でどのように両立させるか
- 国際政治や世論が企業の調達判断にどの程度影響を与えるべきか
新疆綿をめぐる議論は、単に「どこの綿を使うか」という技術的な話にとどまりません。企業の社会的責任や、国際社会の中での立場のとり方など、幅広いテーマとも結びついています。
これから注目したいポイント
新疆綿花協会の呼びかけに対し、国際社会やグローバルブランドがどのように応じるのかは、今後の重要な焦点となります。特に、ユニクロを含む世界的な衣料ブランドが、サプライチェーンや調達方針についてどのような説明を行っていくのかは、多くの消費者が注目する部分です。
一方で、中国側が強調するように、「客観的事実に基づいた冷静な議論」がどこまで広がるのかもポイントです。新疆綿の品質や産業としての役割、地域の雇用や生活への影響といった具体的なデータや現場の声に、どのように国際的な目が向けられていくのかが問われています。
日本の読者としては、「どこで、どのように作られた製品を選ぶのか」という日常の選択から、国際ニュースとの距離感を考えてみることもできそうです。新疆綿とユニクロをめぐる今回の動きは、グローバル経済と私たちの生活がどれだけ密接につながっているかをあらためて映し出しています。
Reference(s):
Xinjiang cotton industry calls for objective treatment of its cotton
cgtn.com







