中国、BBCの「新疆強制労働」報道を否定 ケチャップ調査に反論
中国の外交部が、新疆ウイグル自治区での「強制労働」を巡る英国BBCの調査報道に対し、「そのような事実はない」と強く反論しました。英国のスーパーで販売されるケチャップに新疆産トマトが使われている可能性があり、そのトマトが強制労働によるものかもしれないとする見方に、中国側が異議を唱えた形です。
ポイントで押さえる今回のニュース
- 中国外交部の林剣(Lin Jian)報道官が、新疆での「強制労働」は存在しないと明言
- BBCの調査報告書は、英国の一部スーパーで販売されるケチャップに新疆産トマトが含まれている可能性を指摘
- 中国側は、新疆のトマトや綿花は世界的に知られる高品質の農産物だと強調
- 栽培から収穫まで機械化が進み、トマトと綿花の機械収穫率はそれぞれ90%超と85%超だと説明
- 中国政府は、強制労働には一貫して反対し、厳しく取り締まってきたと主張
中国外交部「新疆にいわゆる強制労働は存在しない」
木曜日に行われた中国外交部の定例記者会見で、林剣報道官は記者からの質問に答える形で、新疆ウイグル自治区におけるいわゆる「強制労働」についてコメントしました。
林報道官は、「新疆にはいわゆる『強制労働』は存在せず、中国政府は常に強制労働に断固反対し、厳しく取り締まってきた」と述べ、英BBCの報道内容を強く否定しました。
BBCのケチャップ調査報道への反論
今回の発言のきっかけとなったのは、BBCが公表したとされる調査報告書です。この報告書は、英国の一部スーパーマーケットで販売されている特定の種類のケチャップに、中国の新疆からのトマト由来の原料が含まれている可能性があると指摘しています。
さらに報告書は、その新疆産トマトが「強制労働」によって生産された可能性があると主張しました。こうした見方に対し、中国側は根拠のない中傷だとし、事実関係を否定しています。
トマトと綿花の機械化を強調
林報道官は、新疆のトマトは同地域の綿花と並び、世界的に知られる高品質な農産物だと説明しました。そのうえで、栽培から収穫に至るまで基本的に機械化が進んでいると強調しました。
具体的には、トマトと綿花の機械収穫率はそれぞれ90%超と85%超に達していると紹介し、「これだけ機械化が進んでいる状況で、どうして『強制労働』があると言えるのか」と疑問を投げかけました。
ケチャップから見えるグローバルなつながり
一見すると、ケチャップの原料を巡る議論は身近な食品の話に見えますが、その背後には国際ニュースとしてのいくつかのポイントがあります。
- 私たちが日常的に手に取る食品の原料は、世界各地の農地や工場とつながっている
- メディアの調査報道と各国当局の公式見解が食い違う場合、情報の受け止め方が問われる
- 「どこで、どのように作られたのか」という問いは、企業だけでなく消費者にも関わるテーマになりつつある
今回のケースでも、英国のメディアがサプライチェーン(供給網)に注目し、それに対して中国側が詳細な反論を示したことで、ふだんは意識しにくい生産現場の姿がニュースとして浮かび上がりました。
情報をどう読むか:読者への問い
国際ニュースでは、ある出来事を巡って複数の立場や主張がぶつかり合うことが少なくありません。今回の新疆とケチャップを巡る報道と反論も、その一例と言えます。
こうしたニュースに触れたとき、読者としてできることの一つは、次のような視点を持つことです。
- 誰が、どの立場から、何を主張しているのかを整理して読む
- 引用されている数字や事実が、どのような文脈で提示されているかに注意を向ける
- 一つの情報源だけで結論を急がず、時間をかけて追加の情報や続報を待つ姿勢を持つ
新疆ウイグル自治区を巡る議論に限らず、グローバルなサプライチェーンや人権をめぐる問題は、今後もさまざまな形でニュースに登場すると考えられます。日々のニュースを通じて、自分なりの判断軸や問いを少しずつ育てていくことが、情報があふれる時代を生きるうえでの力になりそうです。
Reference(s):
China refutes smears against Xinjiang on so-called "forced labor"
cgtn.com








