世界土壌デーに、中国の第3次全国土壌調査で採取作業が完了 311万サンプルを収集
中国で2022年に始まった第3次全国土壌調査について、採取作業が完了し、合計311万点の土壌サンプルが集められたと、中国農業農村部の担当者が記者会見で明らかにしました。世界土壌デーに合わせて発表されたこのニュースは、土壌保全と食料安全保障をめぐる中国の取り組みを示す動きとして注目されています。
第3次全国土壌調査とは? 2022年開始の長期プロジェクト
今回の第3次全国土壌調査は、2022年に中国で始まった大規模な国家プロジェクトです。目的は、全国の土壌の性質や種類、利用状況を改めて把握し、今後の土地保護と有効活用につなげることにあります。
調査は複数年にわたって進められ、その中核となる作業の一つが土壌サンプルの採取でした。今回、その採取プロセスが完了したことで、データ分析や政策立案に向けた次の段階に入ったことになります。
カバー範囲は約110億ムー 7億3,300万ヘクタール超
中国農業農村部によると、この全国土壌調査が対象とする範囲は約110億ムー(7億3,300万ヘクタール超)に及びます。耕地だけでなく、森林地、草地、未利用地など、国内のさまざまな土地タイプが含まれています。
広大な範囲をカバーする中で集められた土壌サンプルは合計311万点。これらの標本が、地域ごとの土壌の違いや変化を読み解くための基礎データとなります。
何を調べ、何に生かすのか
今回の第3次全国土壌調査は、土壌の「性質」「種類」「利用状況」を網羅的に調べることを目指しています。具体的には、どの地域にどのような土壌が存在し、どのように使われているのかを整理し直すことで、今後の土地利用計画や保全政策に反映していく狙いがあります。
こうした国家レベルの土壌調査は、次のような分野での活用が期待されます。
- 農地の適正な利用や作物選びの見直し
- 土壌劣化や砂漠化など環境リスクの早期把握
- 長期的な食料生産力の維持・向上に向けた基礎データづくり
土壌は一度失われると回復に長い時間がかかる資源です。その実態を正確に把握することは、持続可能な農業や環境保全の前提条件と言えます。
世界土壌デーと「見えないインフラ」としての土
世界土壌デーは、私たちの足元にある土壌の重要性に目を向ける国際的な記念日です。今回、中国で第3次全国土壌調査の採取完了が発表されたことは、土壌を「見えないインフラ」として捉え直す動きの一つとも言えます。
土壌は、
- 食料生産の基盤
- 水を蓄え、浄化するフィルター
- 生物多様性を支える生息地
といった多面的な役割を担っています。デジタル技術やエネルギー問題に注目が集まりがちな中で、土壌そのものを丁寧に調べようとする取り組みは、長期的な視野に立ったインフラ投資とも言えそうです。
日本の読者にとっての示唆:自分たちの足元の土を想像する
今回の中国の第3次全国土壌調査の進展は、日本の読者にとっても「自分たちの足元の土」を考えるきっかけになり得ます。
都市化が進む中で、身の回りの土を見る機会は減っていますが、農地だけでなく、公園や都市の緑地、河川敷の土壌の状態も、私たちの生活や災害リスクに直結しています。
国際ニュースとして中国の動きを追うと同時に、「もし日本で同じ規模の土壌調査をしたら、どんなことが見えてくるだろうか」という問いを持ってみると、世界土壌デーのニュースが少し身近に感じられるかもしれません。
Reference(s):
World Soil Day: Sampling of the 3rd national soil survey completed
cgtn.com








