習近平氏の人民代表大会制度論集刊行 全過程人民民主を体系化
中国で、習近平・中国共産党中央委員会総書記による人民代表大会制度に関する重要論述をまとめた新たな書籍が刊行されました。2012年から2024年までの発言を体系的に収録し、中国が掲げる全過程人民民主の考え方を示す一冊として注目されています。
37本の重要論述を収録
今回出版された論述集は、Central Party Literature Press から刊行され、中国全土で利用可能になっています。編纂は、中国共産党の党史と文献を担当する中央の研究機関である Institute of Party History and Literature of the CPC Central Committee が担いました。
書籍には、2012年12月から2024年10月までに発表された習近平氏の重要な文章や演説など、合計37本がまとめられています。その一部は、今回初めて公表される内容だとされています。
人民代表大会制度と全過程人民民主
論述集の中心テーマとなっているのが、人民代表大会制度をいかに堅持し、改善し、よく機能させていくかという問題です。人民代表大会制度は、中国の政治の枠組みを支える制度として位置づけられており、その運用や改革は、中国の将来の統治モデルとも関わる重要なテーマです。
今回の書籍では、とくに全過程人民民主というキーワードが前面に出ています。全過程人民民主という表現からは、選挙の瞬間だけでなく、政策づくりから施行、結果の評価に至るまでの一連のプロセスに人民の参加や意見反映を組み込もうとする発想がうかがえます。
中国共産党中央委員会は、第18回党大会が開かれた2012年以降、習近平氏を核心とする指導部のもとで、人民代表大会の活動に対する党の指導を全面的に強化し、全過程人民民主の推進に力を入れてきたとされています。こうした実践が今回、ひとつの理論的枠組みとして整理された形です。
理論と実践の統合を強調
論述集の紹介によると、習近平氏は、マルクス主義の基本原理を中国の具体的な現実や優れた伝統文化と結びつけながら、社会主義民主政治を発展させる中国共産党の経験を体系的に総括してきました。
そのうえで、人民代表大会制度について、理論面と制度運用の両方で新しい考え方や構想、要求を次々と打ち出し、理論と実務の両面でのイノベーションを進めてきたと位置づけられています。今回の書籍は、そうした一連の取り組みを読み解くための手がかりとなるものです。
日本の読者にとっての意味
日本から中国政治を見るとき、注目が集まりやすいのは指導部の人事や経済政策ですが、実際には制度や概念の更新も静かに進んでいます。今回の論述集は、中国側がどのような言葉で自国の政治制度を説明し、位置づけているのかを知るうえで重要な資料と言えます。
とくに、中国の社会や経済との関わりが深い日本にとっては、人民代表大会制度や全過程人民民主が、中国の政策決定や地域社会の運営にどのように結びつけられているのかを理解することが、中長期的なリスクや機会を考えるうえで役立ちます。
西側諸国で一般的な選挙中心の民主主義のイメージとは異なるアプローチを取る中国の政治モデルを理解するには、こうした一次資料にあたることが有効です。今後、本書を通じて議論される全過程人民民主や人民代表大会制度の議論は、中国政治をめぐる国際的な対話の中でも、一つの重要な参照点となっていきそうです。
Reference(s):
Book of Xi's discourses on people's congress system published
cgtn.com








