HIIFF2024で映る中国とイタリアの映画協力 撮影監督カルネラの眼 video poster
2024年のハイナン島国際映画祭(HIIFF2024)で、イタリア人撮影監督パオロ・カルネラ氏が語った「中国本土とイタリアの映画協力」の可能性を、日本語で分かりやすく整理します。
HIIFF2024で交わされた対話とは
2024年に中国本土の海南島で開かれたハイナン島国際映画祭(Hainan Island International Film Festival, HIIFF2024)の会場で、カルネラ氏はCGTNの張萌(Zhang Meng)氏による独占インタビューに応じました。
インタビューでは、彼の創作プロセス(クリエイティブ・プロセス)、世界の映画への敬意、そして中国本土とイタリアの間で映画制作の協力関係を深める可能性について、じっくりと意見が交わされたとされています。
多文化が交差する映画祭という「学びの場」
カルネラ氏がまず強調したのは、映画祭が生み出す「多様性」と「相互学習」の力です。HIIFF2024には、さまざまな国や地域の作品とクリエイターが集まりました。
- 異なる文化的背景を持つ監督やスタッフが交流する場であること
- 撮影スタイルや物語の語り方の違いから互いに学べること
- その対話が、次の共同制作や新しい作品の種になること
カルネラ氏は、こうした多文化の出会いこそが映画づくりを豊かにすると考えているとみられます。映画祭は、レッドカーペットだけでなく、「どう撮るか」「何を語るか」をめぐる対話の場でもある、という視点がにじみます。
「中国の文化は広大で魅力的」
インタビューの中で、カルネラ氏は中国の文化への敬意もはっきりと口にしました。
彼は、張芸謀(Zhang Yimou)氏をはじめとする国際的な才能と共に仕事をしてきた経験に触れながら、次のように語っています。
カルネラ氏は「中国の文化は広大で魅力的だ」と述べ、「中国の映画制作者がイタリアに来て、私たちが一緒にまったくユニークな作品をつくることができれば、素晴らしい機会になるだろう」と続けました。
ここには、特定の国や地域の映画を「評価する/される」という一方向の関係ではなく、互いに学び合い、新しい表現を生み出す「共同の場」として映画制作を捉える視点が見て取れます。
中国本土とイタリアの映画協力、その意味
カルネラ氏が言及した「中国本土の映画制作者がイタリアに来る機会」は、単なるロケや技術協力にとどまりません。彼の言葉から浮かび上がるのは、次のような可能性です。
- 中国本土とイタリアそれぞれの文化や風景を生かした共同制作
- スタッフやキャストが混ざり合う国際的な制作チーム
- 観客が新しい視点で互いの社会や歴史に触れられる作品づくり
特に、映像や物語が国境を越えて消費される現在、こうした協力は単に「マーケットを広げる」だけでなく、異なる社会を理解するための窓にもなり得ます。カルネラ氏の提案は、その入り口を示していると言えるでしょう。
グローバル・シネマへの敬意が生むもの
インタビューでは、カルネラ氏が世界中の映画に敬意を払い、そこから学び続けている姿勢も伝えられました。創作プロセスを語る中で、共通していたのは「他者の視点に開かれていること」の重要性です。
多様な映画から学ぶという姿勢は、次のような変化をもたらします。
- 固定化した「自国流」の映像表現から一歩外に出るきっかけになる
- 観客の期待をいい意味で裏切る、新しい構図や色彩の試みにつながる
- ストリーミング時代の国際的な観客に届く作品づくりを後押しする
こうした視点は、映画業界だけでなく、グローバルなビジネスや文化交流全体にも通じるものがあります。互いの違いを「弱点」ではなく「資源」として扱うことで、新しい価値が生まれるという考え方です。
映画祭から広がる、これからの国際制作
HIIFF2024でのカルネラ氏の発言は、中国本土とイタリアの映画協力の可能性を象徴的に示すものでした。同時に、それは世界の映画人が共有し得るメッセージでもあります。
- 映画祭は、作品発表の場であると同時に、次の共同制作を生む「出会いの場」である
- 文化の違いは、衝突ではなく創造の源になり得る
- 相互学習の姿勢が、国際ニュースの裏側で進む文化交流を支えている
日本の観客にとっても、中国本土やイタリアのクリエイターがどのように互いから学び、新しい作品を生み出そうとしているのかを知ることは、自分たちの映画の見方を更新するヒントになります。
ハイナン島国際映画祭で交わされた一つの対話は、国境を越えた映画制作の未来が、静かに、しかし着実に形になりつつあることを示しているようです。
Reference(s):
HIIFF2024: Italian cinematographer Paolo Carnera on cinematic vision
cgtn.com








