HIIFF 2024と中国映画 若手監督が語る世界への届け方 video poster
中国の物語を世界へ――HIIFF 2024が投げかけた問い
中国映画や中国の物語を、どうすれば世界の観客にもっと届く形で伝えられるのか。2024年に開催された海南国際映画祭(Hainan International Film Festival、HIIFF 2024)は、この問いをあらためて浮かび上がらせました。
経験豊かな監督だけでなく、国際的な視野と中国の物語への深い理解をあわせ持つ若手監督たちが、今まさに重要な役割を担いつつあります。本記事では、短編作品「LOVER 404」が上映された若手監督のZhu Xinyiと、中国国際テレビ局(CGTN)のZhang Mengによる対談内容を手がかりに、中国映画と若手クリエイターの現在地を見ていきます。
海南国際映画祭とは何か
海南国際映画祭は、中国南部の島・海南で開かれる映画イベントで、中国の映画人と海外からの参加者が集まり、多様な作品の上映や交流が行われます。HIIFF 2024でも、中国発の物語を国際社会にどのように紹介していくかが、重要なテーマの一つとなりました。
映画祭という場は、単に新作を披露するだけでなく、プロデューサーや配給会社、映画祭関係者など、業界のさまざまな人々が出会い、次の企画や共同制作につながる「ハブ」の役割も果たします。中国映画が世界に広がるかどうかは、作品そのものの力に加え、こうした場への参加を通じてネットワークや経験を積み重ねられるかにも左右されます。
若手監督Zhu Xinyiが語る「学びの場」としての映画祭
短編映画「LOVER 404」がHIIFF 2024で上映された若手監督のZhu Xinyiは、CGTNのZhang Mengとの対談の中で、海南国際映画祭について、映画業界の動き方を学べる貴重な場だと語りました。
とくに、中国映画業界のワークのダイナミクス(働き方や進行の仕組み)を知る機会になると指摘しています。若手監督にとって、現場でどのように企画が立ち上がり、資金が集まり、撮影から配給までが動いていくのかを間近で見ることは、教科書では得られない実践的な学びです。
短編作品であっても、国際映画祭で上映されることで、次の長編企画への足がかりになったり、海外のプロデューサーとの協働のきっかけになったりします。「LOVER 404」のような作品が評価されることは、個々の監督だけでなく、中国の若手クリエイター全体の可能性を広げることにもつながります。
中国の物語をグローバルに伝えるための3つのポイント
HIIFF 2024で交わされた議論やZhu Xinyiの言葉からは、中国の物語を世界に届けるために、若手監督が意識すべきポイントが見えてきます。
- ローカルな物語への深い根ざし:家族、都市化、デジタル社会など、中国ならではの生活実感に根ざした物語であること。
- 普遍的なテーマへの翻訳:恋愛、成長、葛藤など、国や文化を超えて共感できるテーマとして描き直すこと。
- 国際的な制作環境への理解:共同制作、海外映画祭、配信プラットフォームなど、グローバルな流通の仕組みを早い段階から学ぶこと。
こうした視点を持つ若手監督が増えることで、中国映画は単に「海外で上映される作品」の枠を超え、世界の観客にとって身近な物語として受け取られていく可能性があります。
日本の観客にとっての意味
日本の観客にとっても、中国映画や中国の若手監督の動きは他人事ではありません。隣り合う地域の社会や文化の変化を、ニュースだけでなく、物語として追体験できる貴重な窓口だからです。
特に、デジタル時代の恋愛や孤独、仕事のプレッシャーといったテーマは、日本でも共通するものです。中国の若手監督が描く物語を追うことで、自分たちの社会の変化を相対化して見るヒントにもなります。
HIIFF 2024での「LOVER 404」をはじめとする短編作品の登場は、中国の物語が新しい世代の手によってアップデートされ、世界へと発信されていることを示しています。今後も、こうした若い声がどのように育ち、どのように国境を越えていくのかを、継続して見ていきたいところです。
Reference(s):
HIIFF 2024: Sharing Chinese stories and empowering young directors
cgtn.com








