砂漠を森に変えたサイハンバ 中国の「緑の奇跡」とCOP16 video poster
2024年12月にサウジアラビア・リヤドで開かれた国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回締約国会議(COP16)で、中国の緑化プロジェクト「サイハンバ」が世界の注目を集めました。砂漠の縁に築かれたこの人工林は、「緑の奇跡」として、土地の劣化とどう向き合うかを私たちに問いかけています。
COP16とは?リヤドで開かれた砂漠化対策の国際会議
2024年12月2日から13日まで、サウジアラビアの首都リヤドで国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回締約国会議(COP16)が開催されました。197の締約国・地域の代表が集まり、土地の劣化や砂漠化、干ばつへの対応をテーマに議論が行われました。
COP16では、持続可能な土地管理を広げ、土地の回復を加速し、干ばつへの強靭性を高めることが大きな目的とされました。砂漠化が進む地域だけでなく、都市や農村の未来にも関わる課題として、世界全体の連携が呼びかけられました。
最大級の中国パビリオンが示したもの
COP16の会場には各国や地域の取り組みを紹介するパビリオンが設けられました。その中で、中国は608平方メートルの中国パビリオンを設置し、開催国を除くと最大規模の国家テーマ館となりました。
中国パビリオンでは、砂漠化防止や土地回復に関するさまざまな取り組みが紹介されました。中でも目を引いたのが、中国北部で進められてきた「三北防護林プロジェクト(スリーノース・シェルターベルト・プログラム)」です。今回、このプロジェクトの成果が海外で本格的に紹介されたのは初めてとされています。
砂漠化の影響を強く受けてきた中国は、「人と自然の調和」を掲げ、長年にわたり植林や土地管理の改善に取り組んできました。こうした経験を共有することで、他の国や地域にとってもヒントとなる実践例を示した形です。
サイハンバとは?高原の荒地に広がる世界最大の人工林
三北防護林プロジェクトの一部であるサイハンバ(塞罕壩)は、華北平原とモンゴル高原が接する場所に位置し、平均標高は約1500メートルという高地です。かつては土地の劣化や砂漠化が進んでいたこの地域で、植林による大規模な緑化が進められてきました。
サイハンバの森は、現地の住民三世代にわたる地道な植林と管理の積み重ねによって育まれてきました。その結果、現在では砂漠化や土地の劣化に立ち向かう世界最大の人工林へと姿を変え、「緑の奇跡」とも呼ばれています。
サイハンバが投げかける3つのメッセージ
サイハンバの事例は、砂漠化対策や土地の回復を考えるうえで、次のような示唆を与えてくれます。
- 長期的な視点の重要性:三世代にわたる取り組みが示すように、土地の回復には数十年単位の時間軸が必要です。
- 地域住民の力:政策や技術だけでなく、現地で暮らす人々の継続的な関わりが、森を守り育てる土台になっています。
- 国際的な共有の価値:COP16の中国パビリオンのように、成果と経験を世界と共有することは、他地域の取り組みを後押しする力になります。
砂漠化とどう向き合うか――私たちにできること
砂漠化や土地の劣化は、一見すると遠い国の話に思えるかもしれません。しかし、その背景には気候や水資源の問題、農業や都市のあり方など、私たちの日常とつながる要素が多く含まれています。
サイハンバの「緑の奇跡」は、大規模な人工林という成果だけでなく、長期にわたり人と自然の関係を模索してきたプロセスそのものに価値があります。日々のニュースを追う中で、こうした事例を一つの手がかりにしながら、自分たちの生活や社会のあり方を考えてみることが求められているのではないでしょうか。
2024年のCOP16で示されたメッセージとサイハンバの経験は、2025年の今も、そしてこれからの世代にとっても、土地とどのように共生していくかを考える重要なヒントになり続けそうです。
Reference(s):
cgtn.com








