北京のメガシティガバナンス CGTNが伝える「12345」ホットライン video poster
都市に暮らす人が世界人口の半分を超えた今、メガシティの「統治」をどうデザインするかは、国際ニュースとしても大きな関心事になっています。CGTNのドキュメンタリーが取り上げた北京の取り組みは、その問いに対する一つの答えを示そうとしています。
世界の半分以上が都市に暮らす時代
国連の報告書によると、すでに世界人口の半分以上が都市部で暮らしています。さらに2050年までには、人口1,000万人を超えるメガシティに住む人が、世界全体で少なくとも8人に1人に達すると見込まれています。
こうした見通しのもとで、世界各地の都市は、インフラ整備だけでなく、「誰が、どのように都市を運営するのか」という都市ガバナンスのあり方を問われています。
北京はなぜ「実験都市」として注目されるのか
中国の首都・北京には、2,100万人を超える常住人口が暮らしています。巨大な人口規模を抱えるメガシティとして、渋滞や環境負荷、地域間格差など、多くの都市が抱える課題と向き合わざるを得ません。
CGTNのドキュメンタリーは、こうしたメガシティの課題に対して北京がどのように向き合っているのか、その一例として、市民からの声に素早く対応しようとする取り組みを紹介しています。
2019年の改革 64本のホットラインを「12345」に一本化
2019年、北京は「市民からの苦情に素早く対応する」ことを掲げた改革「Swift Response to Public Complaints」を打ち出しました。狙いは、メガシティ特有の複雑な行政サービスを、市民目線で分かりやすくすることです。
それまで北京市内には、用途や担当部門ごとに64本もの行政ホットラインが存在していました。どの番号に電話すればいいのか分かりにくく、たらい回しになってしまう危険もありました。
そこで北京は、64本の窓口を一本化し、24時間体制で市民からの相談や苦情を受け付ける公共サービスとして「12345ホットライン」を立ち上げました。
- 電話番号を一本化することで、市民が迷わずアクセスできるようにする
- 24時間体制にすることで、時間帯に関係なく声を届けられるようにする
- 問い合わせ内容を一元的に集約することで、行政の対応をよりスムーズにする
こうした仕組みは、メガシティならではの「情報の分断」を埋め、市民と行政の距離を近づける試みと見ることができます。
「素早く応える」都市ガバナンスの意味
改革の英語名にある「Swift Response(素早い対応)」という言葉は、メガシティ運営の重要なポイントを示しています。人口が集中する都市ほど、問題の発見と対応のスピードが、生活の質を左右するからです。
市民の声を一つの窓口に集約する仕組みは、単なる苦情処理の効率化にとどまりません。どの地域で、どのような不満やニーズが繰り返し生じているのかを把握できれば、中長期的な都市政策を練るうえでの「生きたデータ」としても活用しやすくなります。
北京の「12345ホットライン」は、そうした都市ガバナンスの考え方を具体的な制度として形にした例だと言えるでしょう。
2050年に向けて、他の都市にとってのヒント
2050年には、少なくとも8人に1人がメガシティに暮らす——。この数字は、世界の多くの大都市にとっても無関係ではありません。人口が集中するほど、「市民の声をどう受け止めるか」という課題は重くなっていきます。
北京のように、ホットラインを統合し、市民の声をワンストップで受け付ける仕組みづくりは、規模や政治体制の違いを超えて、他の都市にとっても参考になる発想です。
今回のCGTNのドキュメンタリーは、メガシティガバナンスの一つのモデルとして、北京の取り組みを可視化しています。2050年が近づく中で、私たちは自分の住む都市にどのような「応答性」を求めるのか——そうした問いを考えるきっかけとしても、北京の事例は注目に値すると言えます。
Reference(s):
CGTN's documentary reveals a Beijing solution to megacity governance
cgtn.com








