人と自然が調和する青海省タラタン太陽光パークの挑戦 video poster
世界的に脱炭素への動きが加速するなか、中国青海省のタラタン太陽光パークが「人と自然の共生」を体現する事例として注目されています。荒れた土地をゼロカーボンの産業パークに変え、クリーンエネルギーと地域の牧畜を両立させているからです。
荒地からゼロカーボン産業パークへ
タラタン太陽光パークは、中国西部の青海省にある大規模な太陽光発電施設です。かつては乾燥した荒れ地だった場所が、現在は年間約8,000万キロワット時の電力を生み出すゼロカーボン産業パークへと姿を変えました。
ここで生み出される電力は、化石燃料に依存しないクリーンエネルギーとして、中国のエネルギー構造転換を支える一部となっています。温室効果ガスを出さずに電力を供給できる点で、グリーン経済の象徴的な取り組みと言えます。
クリーンエネルギーと地域社会をつなぐ
この太陽光パークの特徴は、単に再生可能エネルギーを生み出すだけの施設にとどまらないことです。地域の人びとの暮らしと結び付いた「場」として設計されている点が、国際ニュースとしても注目されます。
特に、牧畜を営む人びとの生活と太陽光パネルの共存が意識されています。クリーンエネルギーの普及が進むなかで、「地域経済との両立」をどう実現するかは、多くの国や地域が直面している課題だからです。
太陽光パネルの下で家畜が草を食む仕組み
タラタン太陽光パークでは、発電設備が並ぶ広大な敷地が、地元の農牧民にとっても大切な放牧地として活用されています。太陽光パネルの間や下の空間を利用して、家畜が草をはむことができるようにしているのです。
この「二重の利用」によって、同じ土地から次のような価値が生まれています。
- 上空では太陽光パネルがクリーンな電力を安定的に生産する
- 地表では草が育ち、家畜のエサとなることで地域の牧畜が続けられる
- 発電事業と牧畜が共存することで、地元の牧畜民の収入向上につながる
クリーンエネルギーの導入が「従来の産業を押しのける」のではなく、「新たな収入源を生み出しながら支える」形になる点が、このプロジェクトの重要なポイントです。
グリーン経済モデルとしての意味
タラタン太陽光パークの取り組みは、人と自然の調和を基盤にしたグリーン経済のモデルとして位置付けられています。単に環境にやさしい発電技術を導入するだけでなく、地域社会の経済的な安定と両立させているからです。
ポイントを整理すると、次のような特徴が見えてきます。
- ゼロカーボン産業パークとして、温室効果ガスを出さない電力を供給している
- 地元の牧畜民が放牧の場として利用できる仕組みにより、収入の底上げに貢献している
- 「環境保護」と「地域の発展」を対立させず、両立させる発想が採用されている
このようなアプローチは、グリーン経済を「環境のために我慢する経済」ではなく、「暮らしの安定と環境保護を同時に高める経済」として捉え直す視点を示しています。
日本への示唆:「どちらか」ではなく「両立」を探る
エネルギー安全保障と脱炭素が同時に問われているいま、日本でも再生可能エネルギーの導入や地域振興のあり方が議論されています。タラタン太陽光パークの事例は、私たちに次のような問いを投げかけます。
- エネルギー政策と地域の暮らしを、対立させずにつなぐ方法は何か
- 農業や牧畜と再生可能エネルギーの「二重の利用」は、どこまで可能か
- 人と自然の関係をどうデザインすれば、持続可能な地域社会をつくれるか
荒れ地だった土地が、クリーンエネルギーと牧畜を支える場へと変わったタラタン太陽光パーク。その姿は、「人と自然の共生」は抽象的な理想ではなく、現実の土地利用や産業の設計を通じて実現していけることを示しているように見えます。
世界各地でエネルギー転換が進む2025年、日本からこうした国際ニュースを読み解くことは、自分たちの足元の選択を考え直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
"Harmony Between Humans and Nature" – The Qinghai Solar Park
cgtn.com








