北京12345市民ホットラインが視覚障害の大学院生を支えるまで video poster
視覚障害があっても、法科大学院へ
国際ニュースとしても注目される中国・北京の公共サービス「12345市民ホットライン」。その支援を受けながら、視覚障害がありながらも法科大学院で学ぶ若者がいます。北京工商大学で法律の大学院課程に在籍する王金偉さんです。
王さんは目が見えないというハンディを抱えながらも、法律を学ぶ道を選びました。大量の専門用語や判例を扱う法学は、視覚情報に大きく依存しがちな分野です。それでも彼は、自身の障害を理由に夢をあきらめることはしませんでした。
北京12345市民ホットラインとは何か
王さんの歩みを支えてきた存在のひとつが、北京の「12345市民ホットライン」です。市民ホットラインは、その名の通り、市民が日常生活や行政サービスに関する悩みやニーズを電話で伝えるための窓口として機能しています。
ドキュメンタリー番組「Hotline Beijing」では、この市民ホットラインが、若者の進学やキャリアの選択を後押しする様子が描かれています。王さんのケースでは、学び続けるための環境づくりや、将来の働き方を考えるうえで、この窓口からの支援が重要な役割を果たしました。
行政サービスへのアクセスが難しくなりがちな障害のある人にとって、電話一本で相談できるホットラインの存在は、情報格差を埋める手段にもなります。王さんの物語は、その具体的な一例だと言えます。
「助けられる側」から「助ける側」へ
王さんは最近、障害のある人を支援する現場で実習に参加しています。自らも視覚障害があり、これまで多くの支援を受けてきたからこそ、その経験を今度は他の人のために生かしたいと考えるようになりました。
彼は「普段は自分が助けられる立場だが、人を助けることがとても楽しい」と語っています。この短い一言には、支援されることへの感謝と、自分も社会の一員として貢献したいという強い意思が込められています。
法律を学び、障害者支援の現場にも関わることで、王さんは「当事者」と「支援者」という二つの視点を同時に持つようになりました。その両方の経験は、将来、法曹や政策の分野で障害のある人の権利を語るとき、大きな説得力を持つはずです。
公共サービスが「高い志」を支えるということ
王さんのストーリーは、ひとりの視覚障害のある学生の努力の物語であると同時に、公共サービスの在り方を考えさせる国際ニュースでもあります。市民ホットラインのような仕組みは、制度や支援を「知っている人」だけのものにしないための工夫だと言えます。
進学や就労に挑戦したい人が、どこに相談すればよいのか分からない――。そんなときに、まず電話をかけられる場所があることは、単なる「便利なサービス」を超えて、一人ひとりの人生の選択肢を広げる役割を持ちます。
視覚障害があっても法学を学び、さらに他の障害のある人を支えようとする王さん。その背後には、家族や友人だけでなく、市民ホットラインという公共の仕組みもあります。個人の「高い志」を社会全体でどう支えていくのか――北京12345市民ホットラインの事例は、私たちが自分の街の公共サービスや相談窓口を見直すきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








