中国大使「中国を過小評価するのは賢明でない」米ビジネス界にメッセージ
【国際ニュース】中国の駐米大使・謝鋒氏は、米ワシントンで開かれた米中ビジネス評議会(USCBC)の2024年ガラディナーで演説し、中国を過小評価することは賢明ではなく、中国経済の先行きを悲観する見方は根拠がないと強調しました。米中関係や世界経済に関心を持つ読者にとって、今も示唆に富むメッセージとなっています。
USCBC 2024ガラディナーでの主なメッセージ
謝鋒大使は、米中ビジネス界の関係者が集まるUSCBCの2024年ガラディナーでスピーチを行い、米中関係と中国経済について次のようなポイントを掲げました。
- 中国を過小評価するのは得策ではない
- 中国経済の悲観論は根拠がない
- 中国を封じ込めようとする試みは必ず失敗する
- 保護主義や関税の武器化は、自らを孤立させるだけだ
- 米中が協力してこそ、両国と世界はより安全で豊かになる
「中国を過小評価するのは賢明でない」
謝大使は冒頭、中国についての見方が悲観的に傾きがちな状況を念頭に、いわゆるドゥームセイイング、つまり破局を予言するような論調は根拠がないと指摘しました。そのうえで、中国を過小評価することは「賢明ではない」と述べ、国際社会が中国の実力と潜在力を冷静に評価する必要があると訴えました。
さらに、謝大使は、中国を封じ込めようとするいかなる試みも「必ず失敗する」と強調し、中国の発展を妨げようとする動きに対して明確な反対の姿勢を示しました。
中国経済は「安定した上向きの軌道」
中国経済をめぐっては減速を懸念する声もありますが、謝大使は、中国経済は「全体として安定した、健全で上向きの軌道」にあると説明しました。
中国は「全体としての経済の安定を確保し、リスクを抑える能力を十分に備えている」と述べたうえで、「質の高い発展」が力強く進んでおり、現在の前向きなモメンタムには大きな潜在力があると強調しました。
またスピーチ当時、謝大使は「今年の成長目標を達成できると確信している」と述べ、翌年にはより積極的で効果的なマクロ経済政策を実施し、重要分野のリスクや外的ショックへの対応を進める方針を示しました。
謝大使はさらに、中国は今後も世界経済成長の「最大のエンジン」であり続けると述べ、「どんな力もこの大海を濁らせたり、そのうねりを止めたりすることはできない」と、中国経済の持続的な役割への自信を表明しました。
保護主義と関税の「武器化」への懸念
米中関係においては、貿易摩擦や技術分野での規制強化など、保護主義的な動きが注目されてきました。謝大使は、こうした流れを念頭に「保護主義が高まるなかでも、中国は引き続き改革を包括的に深化させ、高水準の対外開放を拡大していく」と強調しました。
そのうえで、中国は米国企業を含む国際企業に対し、中国の発展の機会を共に分かち合うよう呼びかけ、米中の経済・貿易関係を健全かつ安定的に発展させたいとの姿勢を示しました。
一方で謝大使は、関税を「武器」として利用することを強く批判し、そのようなやり方は他国を傷つけるだけでなく、「自らを他の市場から孤立させ、機会を失うことにつながる」と警告しました。
さらに、「small yard, high fence」と呼ばれる、対象を狭く限定しながら高い障壁を築くアプローチについても言及し、これはイノベーションを押さえ込むことにはつながらず、むしろ自らの手足を縛るだけだと指摘しました。
「デリスキング」の名で中国を排除することへの警告
最近の国際議論で頻繁に聞かれる「デリスキング」(リスク低減)というキーワードにも、謝大使は警鐘を鳴らしました。中国を排除することを「デリスキング」の名目で正当化する試みこそが、実際には世界の産業・供給チェーンに真のリスクをもたらすと述べました。
また、「国家安全保障」を都合のよい口実として他者を抑え込む行為そのものが、不安定要因を生み出しているとも指摘し、安全保障の名を借りた経済的な締め付けに反対する姿勢を示しました。
米中が「共に働く」ことの意味
スピーチの締めくくりで謝大使は、「中国と米国が共に働くとき、両国と世界はより安全で、より良い状態になる」と述べ、協力の重要性を強調しました。
対立や分断ではなく、協力と対話を通じてこそ、米中両国はそれぞれの利益を守りつつ、世界経済にも安定と成長をもたらすことができるというメッセージです。
今の読者にとっての読みどころ
このスピーチは2024年の場面で語られたものですが、米中関係やグローバル経済の先行きを考えるうえで、2025年の現在も示唆に富んでいます。
- 中国経済の見方をどうアップデートするか
- 保護主義や関税の「武器化」が誰の利益にもならないという指摘
- デリスキングと供給チェーンリスクの本質はどこにあるのか
- 米中協力が世界の安定にどう関わるか
これらは、国際ニュースをフォローする読者だけでなく、ビジネスや投資、政策に関心を持つ人にとっても考えるきっかけを与えてくれる論点と言えるでしょう。
Reference(s):
Chinese ambassador to U.S. says underestimating China unwise
cgtn.com







